专利摘要:
メンブレンレス(膜なし)分離装置は、末期腎疾患の患者のための血液の限外ろ過など様々な治療に適用することができる。限外ろ過装置は、入ってくる血液の流れをほぼ細胞質内封入体のない血漿の流れと残りの部分に分離するメンブレンレス(膜なし)分離装置、及び、血漿の流れから過剰な流体、毒素、及び他の物質を選択的に除去して処理された血漿をメンブレンレス(膜なし)分離装置に戻す透析液のない第二段階を含むことができる。治療プロトコルは、限外ろ過装置を用いて患者の血液を限外ろ過すること、及び、患者の血液に、限外ろ過を行うことと比較して低い頻度で二次処理を行うことを含むことができる。メンブレンレス(膜なし)分離装置は、血液からの血漿の処理、分析、及び/又は交換に適用することができ、或いは、従来の透析器と組み合わせて細胞質内封入体のない血漿部分に透析を行うことができる。
公开号:JP2011514182A
申请号:JP2010545280
申请日:2009-02-04
公开日:2011-05-06
发明作者:コーテル,スタンリー;ライチ,イラン,ケー.;レオナルド,エドワード,エフ.
申请人:ザ トラスティーズ オブ コロンビア ユニバーシティ イン ザ シティ オブ ニューヨークThe Trustees Of Columbia University In The City Of New York;
IPC主号:A61M1-34
专利说明:

[0001] 本願は、2008年2月4日付けで提出した米国仮特許出願第61/006,866号及び2008年6月19日付けで提出した米国仮特許出願第61/073,951号の利益(優先権)を主張し、これら米国仮特許出願は全て参照文献として本明細書に結合される。]
連邦政府委託研究に関する陳述

[0002] 本発明は、米国国立衛生研究所(NIH)から付与された政府支援NIH528801によって行われた。米国政府は、本発明に一定の権利を有する。]
技術分野

[0003] 本発明は、広くは、流体分離装置、システム、及び方法に関し、より詳細には、血液などの流体処理用メンブレンレス(膜なし)分離構成要素を用いた流体分離装置、システム、及び、方法に関するものである。]
背景技術

[0004] 血液の体外処理は、多くの用途があることが知られている。かかる処理は、例えば、疾病の治療に用いることができる。血液透析は、そのような目的のため体外処理に最も一般に用いられる形態である。体外処理の他の用途としては、その他の処置或いは研究に有用な血液成分の抽出を含む。血漿(即ち血漿交換)及び血小板(thrombocites)或いは血小板(platelets)の交換は、そのような目的のために最も一般に用いられている治療である。血液の分析のための非治療的装置も開発されており、そのような装置も血液成分の抽出を含む場合がある。例えば、診断のために血液及び血漿即ち特定の検体を分離することのできる装置も幾つかある。]
図面の簡単な説明

[0005] 適当な場合、図中の同じ参照番号は、同じ要素を示すために用いられている。とくに他に記されていない限り、図は、尺度どおりには画かれていない。
図1BのA−Aに沿ったメンブレンレス(膜なし)分離装置断面の概念図である。
開示された内容の一実施形態に基づくメンブレンレス(膜なし)分離装置の概念図である。
図1Aのメンブレンレス(膜なし)分離装置内での試料及び抽出液の流れを示す概念図である。
異なるメンブレンレス(膜なし)流路の構成及び形状を示す図である。
異なるメンブレンレス(膜なし)流路の構成及び形状を示す図である。
異なるメンブレンレス(膜なし)流路の構成及び形状を示す図である。
二つのポンプを用いまた限外ろ過法による実施形態の特徴を示すメンブレンレス(膜なし)分離装置の概念図である。
開示された内容の一実施形態に基づく患者の治療のための二次処理装置と一体化されたメンブレンレス(膜なし)分離装置の概念図である。
開示された内容の一実施形態に基づくフィルタを用いたメンブレンレス(膜なし)分離装置の概念図である。
開示された内容の一実施形態に基づく図3のメンブレンレス(膜なし)分離装置内で用いられる好適なフィルタ例の拡大等角投影図である。
開示された内容の一実施形態に基づくメンブレンレス(膜なし)分離装置を用いたポータブル限外ろ過装置の概念図である。
開示された内容の一実施形態に基づくメンブレンレス(膜なし)分離装置を用いた限外ろ過装置の概念図である。
開示された内容の一実施形態に基づく人工透析療法の概念図である。
開示された内容の一実施形態に基づくメンブレンレス(膜なし)分離装置及び分析システムを用いた流体部分分析システムの概念図である。
開示された内容の一実施形態に基づくメンブレンレス(膜なし)分離装置及びリザーバを用いた流体部分分析システムの概念図である。
開示された内容の一実施形態に基づくメンブレンレス(膜なし)分離装置を用いた流体部分抽出システムの概念図である。
開示された内容の一実施形態に基づくメンブレンレス(膜なし)分離装置を用いた流体部分交換システムの概念図である。
開示された内容の一実施形態に基づく透析器に連結された大規模メンブレンレス(膜なし)分離装置の概念図である。
開示された内容の一実施形態に基づく多血液成分を識別するためのマイクロ流体セパレータの概念図である。
開示された内容の一実施形態に基づく一対のマイクロ流体セパレータを用いたタンデム型マイクロ流体流路装置の概念図である。] 図1A 図1B 図3
実施例

[0006] 患者の血液処理は、一次メンブレンレス(膜なし)分離装置を用いてCBFに処置を行って、血液成分を、細胞質内封入体空乏層血液体液部(「CBF」、即ち白血球、赤血球、及び血小板(Platelets)(血小板thrombocytes)などの細胞質内封入体を空乏化した即ちなくした部分)と残る血液部分に分離することを含むことができる。メンブレンレス(膜なし)分離装置の使用によって、抗凝固剤なしに又はより少量の抗凝固剤で治療を行うことが可能となる。開示される実施形態は、抗凝固剤を使用し又は使用せずにCBFに適用される一以上の治療を含む。ESRD(end stage renal disease:末期腎臓病)患者にとって、この治療は、限外ろ過療法、血液透析療法、血液ろ過療法、及び血液透析ろ過療法、循環光療法、吸着系透析療法、化学療法、機械療法(例、遠心分離)、又は他の手段で調製された血液又は血液成分ではなくCBFで行うことによって容易となり又は修正される任意の他の治療を含むことができる。一次メンブレンレス(膜なし)分離装置を、CBFに対して望ましい治療を提供するために、抽出流体処理装置とともに使用することができる。]
[0007] ある実施形態において、メンブレンレス(膜なし)分離装置の使用は、患者の血液細胞などの細胞質内封入体と従来の透析器の半透膜など現行の血液透析機器にとっては重要な人工的表面との間の接触を低減及び/又は最小にする。人工的表面への露出をこのように低減させることによって、臨床結果を改善し、また治療中の抗凝固剤の必要性を低減及び除去できる場合がある。]
[0008] 本明細書に記載されている装置、システム、及び方法は、血液のような試料流体から、該試料流体を抽出流体と呼ばれる他の流体と接触させることによって分子成分を選択的に移送するものである。レオナード等2005年5月12日出願の米国特許出願第11/127,905号(米国特許出願公告第2006/0076295号として公表されている)は、ここに言及することによってその全体が本明細書に記載されているものとして本願に組み込まれるが、同出願に述べられているように、血液が、膜の介在なしに(即ち、メンブレンレス(膜なし))、抽出流体の同時に流れる複数層に隣接して或いはそれらの間に薄い層として流されると、流れのパターンと種の交換が発生する。第‘905号出願では、抽出流体は、シース(鞘)流体、シージング(鞘作用)流体、抽出流体、及び二次流体と呼ばれている。更に、抽出流体は、一般に、血液と混和性があり、すべての成分を拡散及び対流移送することが期待される。]
[0009] レオナードの2007年5月22日出願の米国特許出願第11/814,117号(国際公開第WO2007/137245号として公表されている)は、ここに言及することによってその全体が本明細書に記載されているものとして本願に組み込まれるが、同出願に教示されているように、細胞質内封入体を他の成分から分離することのできるマイクロ流体流路は、精密でショート・ポア及びハイ・ボイド部分を備えるナノ多孔性メンブレンなどのフィルタを使用でき得る。第‘117号出願では、抽出流体は、二次流体、混和流体、及び抽出流体と呼ばれている。第‘117号出願に記載されているかかる壁状フィルタをもつマイクロ流体分離流路の実施形態は、例えば、本出願に記載されているいずれのマイクロ流体分離流路にも使用でき得る。]
[0010] マイクロ流体装置を用いることによって、血液の成分は、更なる処理のために分離することができる。マイクロ流体装置は、高さが0.5〜1.5mmの範囲、好ましくは0.7〜1.3mmの範囲の流路を有することができるが、ここで言う「高さ」とは、流れの方向に対して垂直でそこを通って移送が起こる界面域に対しても垂直なサイズである。ある実施形態にあっては、抽出液は存在せず、流路は、血液を、空乏化した部分と細胞や血小板など細胞質内封入体を濃厚化した部分を分離するために用いられる。]
[0011] 血液の核を流体(本明細書では、その機能を同定するために[抽出流体]と呼ぶこともある)でシージング(被覆)すること、即ち少なくとも血液の多くの部分と流路の封入境界の間での抽出流体の流れを確保することは、血液とこれらの境界との接触を防止し或いは少なくとも低減させるものである。したがって、二つの流体のこのような構成は、血液中の諸因子の望ましくない活性化を防止し或いは少なくとも低減させ、それによって血液処理の他の技術では問題となっていた生体非適合性を低減させる。]
[0012] 本発明に記載されている装置、システム、及び方法は、また、大きさの異なる各種血液成分を選別することができる利益を有する。とくに、血液の流れとそれと接触している抽出流体は、成分の望ましい分離(例えば、低分子量の分子のみを分離)を行うために制御することができる。例えば、本明細書で説明されているように、細胞質内封入体(例えば、細胞及び血小板)を血液−液体界面から遠ざけ、それによって流れを「すくい取って」多量のCBF又は血漿を除去することを可能にする各種流れの条件を駆使することができる。装置の出口は、分離されたCBF又は血漿を抽出流体(があれば、それ)とともに捕捉するように配置し、それによってCBF成分を例えば二次プロセッサに供給することができる。ある実施形態にあっては、CBF中に伴出した細胞質内封入体の流れを阻止するために、流路は、上に言及したことによって本出願に組み込まれまた以下に記載される米国特許出願第11/814,117号に記載されているように壁状フィルタが取付けられ、また血液がその表面から細胞質内封入体を掃引できるように構成されている。]
[0013] 試料流体(例えば、血液)からのCBFの分離は、試料流体と抽出流体の移流混合を抑制及び/又は防止する条件下で起こる。移流とは、流体素子をある領域から他の領域へ移送することであり、対流の助けを借りない拡散或いは秩序ある一方向のみの対流の存在下での拡散と無秩序な拡散を区別するために用いられる。したがって、移流という用語は、ある一流体内、又は混和性のある二つの接触している流体であって、その中で流体の複数のサブボリューム(少量)の相対位置を変化させるような、通常、混合の一段階として起こる流体内での移送の一形態を指すものとして用いられる。移流は、乱流又は不安定な層流で起こる可能性がある。更に、移流混合は、流体に移動用攪拌器を適用することによって意図的に誘起させることが多い。移流混合の抑制及び/又は防止及び小面積での接触を起こさせる短い接触時間(したがって、サイズが小さくまた限られた量の流体を有する小装置への接触)は、メンブレンレス(膜なし)分離装置の流路のために微少流体用の幾何学的配置を使用することによって極めて容易となる。]
[0014] 血液の薄層の抽出流体とのメンブレンレス(膜なし)な接触は、血液と全溶質の抽出流体との間の単位接触面積当たりの高い交換率を生じさせ、しかもそれぞれの拡散係数比の二乗根より少ない遊離(非結合)溶質を識別するために使用でき得る。(例えば、毒物の)高い交換率は、望ましい場合が多いが、無差別な移送は、そうではない。したがって、本開示の原理に基づけば、本明細書に記載されているメンブレンレス(膜なし)分離装置は、血液から望ましい物質が除去されるのを制限し、望ましくない物質を除去するために、少なくとも一つの二次プロセッサ(例えば、メンブレン装置又は他の種類のセパレータ)とともに使用することができる。]
[0015] かかる二次プロセッサの効率は、開示されたメンブレンレス(膜なし)分離装置のような血液又は血液成分から血漿又はCBFをそこへ送達することのできる一次分離装置を使用することによって大きく増大させることができる。したがって、メンブレンレス(膜なし)分離装置内での血液の分子成分の抽出流体への移送は、無差別的に行われてよい。除去することが望ましい血液分子成分(例えば、尿毒症性毒素や薬物)と保持されるべき分子成分(例、血清アルブミン)を担持する抽出流体は、二次プロセッサに入る流体が実質的に細胞質内封入体のないものとして二次プロセッサへ供給することができる。ところで、二次プロセッサは、それがメンブレンレス(膜なし)分離装置のシース(鞘)流体入口へ(直接的又は間接的に)戻すリサイクルの流れの組成によってメンブレンレス(膜なし)分離装置の動作を調節する。]
[0016] また、血液からのCBF上で作動しているメンブレン系二次プロセッサは、濃度分極(即ち、セパレータの上流側で二次プロセッサによって拒絶された物質の蓄積)が、タンパク質に限定されて細胞質内封入体を含まないため、はるかに高い分離速度を達成することができる。更に、細胞質内封入体は、シージング(被覆作用)の流れによって一次分離装置(即ち、第一段階のメンブレンレス(膜なし)分離装置)内に保持されるため、それらの人工物質との接触は、抽出流体のシージング(被覆作用)のために少なくとも部分的には低減する。したがって、抗凝固剤の必要性が大きく低減又は除去され得ることを理解すべきである。更に、このように用いられるメンブレン系二次プロセッサは、シャー(ずれ)を受け易い細胞などの細胞質内封入体が存在しないため、はるかに高い分離速度を達成することができる。]
[0017] メンブレンレス(膜なし)交換装置は、例えば血液透析や限外ろ過などの人口透析に適用可能であることは明らかであるが、メンブレンレス(膜なし)交換装置は、試料流体が拡散メカニズムによって他の流体(例えば、抽出流体)から浄化されるべき他の状況でも有用である。]
[0018] 血液流体又は試料流体に対するシース(鞘)流れの相対的な厚さ(即ち、質量流量)は、用途及び他の規準の応じて異なり得るものである。抽出流体の比率が高ければ、その中に入って拡散する分子を受け容れる収容能力が充分に利用されないおそれがある。試料流体或いは血液の比率が高ければ、抽出流体の中に入って拡散する分子を受け容れる収容能力が飽和に達し、それによって、メンブレンレス(膜なし)交換装置を通る毎質量単位の試料流体或いは血液が充分に処理されなくなる恐れがある。ある実施形態にあっては、抽出流体に対する試料流体(例えば、血液)の比率は、1:3から3:1の範囲である。血液処理のための特定の実施形態にあっては、この比率は、約1:1である。血液の流れは、血液処理中、例えば、0.5ml/秒から5ml/秒の範囲とすることができる。]
[0019] 本明細書に記載されているように、血液の流れ、即ち血液流体は、他の液体(例、抽出流体)によって完全に又は部分的に取り囲まれ、流れが微少流体流路の中で接触し、その後、流路の終端部で分離することができ得る。従って、ほぼ全血即ち血液流体である中央の流れは、抽出流体によって被覆される、即ち取り囲まれることになる。ともに流れる流体の間の接触は、その断面が、好ましくは幅が大きく厚さが限定された直方形又は円形である流路に沿って行われる。流路の他の形状断面も可能であろう。例えば、断面は、求められる流れの力学と調和する限りにおいて、円形、楕円形、卵形、台形、或いは角を丸めた直線形(直線をなす形状)とすることができる。]
[0020] 必要な界面領域は、本明細書に記載されている原理に基づいて、流路長さ、幅、及び数を組み合わせることによって得ることができる。とくに、面積=2(上端及び下端)×幅×長さ×積み重ねた或いは平行に並べられた流路の数である。本明細書で用いられる限り、「幅」という用語は、流れの方向に対して垂直で二つの液体の界面に対して平行な方向のサイズを指し、「高さ」という用語は、上に説明したように、流れの方向に対して垂直で二つの流体の界面に対しても垂直な方向のサイズを指す。小さな高さ(過度の拡散時間及び処理中の量を避けるため)、短い長さ(過度な圧力低下を避けるため)、及び単一の装置の幅に対する実際上の制限という競合する要件から、抽出流路を平行に横に並べる又は積み重ねることが考えられ、したがって、これらの要件は、実際の微少流体装置で満たすことができる。]
[0021] 様々な実施形態の接触領域は、用途の具体的な詳細に依存する。接触面積に影響する要因には、血液及び抽出流体の流量、それらの相対流量、治療時間、所定の治療セッション(治療期間)中に除去することが望まれる血液成分の種類及び量、及び治療の頻度が含まれる。ある実施形態の例では、血液流体は、少なくとも約20〜30ml/分であり、接触領域は、少なくとも約1000cm2である。接触領域は、この基本レベルから約一桁以上異なるものとすることができる。血流量も、数倍大きいものとすることができる。]
[0022] 図1A乃至1Cを参照すると、メンブレンレス(膜なし)分離装置120は、少なくとも一つの抽出流路110を使用し、また、好ましくは各々が一つの抽出流路110を備える多数の抽出装置122A、122Bが使用される。図示のように、多数の抽出装置122A、122Bは、小型化のために層構造に形成することができる。図1Aには二つの抽出装置122A、122Bしか示されていないが、任意の数の抽出装置122A、122Bを配設することもできる。] 図1A
[0023] 抽出流体及び試料流体は、共通の抽出流路110を通る層流として通過させることができる。図1Cに示すように、抽出流路110の中の流れは、共通の抽出流路の全流路を通して、抽出流体及び試料流体は、直接接触はするが、画定した層としてとどまっている。したがって、図示のように、試料流体層124は、抽出流体層126によって抽出流路110の壁から隔てられている。各抽出流路110は、通常の使用条件の下でも層流状態が確実に維持され、また、小型に構成されていても試料と抽出流体の間の大きな界面領域が確実に得られるようなサイズとすることができる。] 図1C
[0024] 抽出流路110内の流れによって、試料流体層124と二つの抽出流体層126の間に二つの液−液境界が生成される。抽出流路110は、試料流体層124を抽出流路110の人工壁から実質的に分離し、しかも試料流体層124が抽出流路110の中に存在するように構成することができる。例えば、抽出流路110は、その深さより何倍も幅が広くまた長いものとすることができる。その結果、試料流体層124は、広い面積(長さ×幅)で抽出流体層126と接触するが、抽出流路110の側縁部でそれよりはるかに小さい領域でしか流路110の人工壁と接触しないものとなる。この構成は、試料と抽出流体の間に大きな界面をつくり、しかも試料流体を抽出流路110の壁から効果的に分離するのに役立つ。]
[0025] 抽出流路110は、抽出流体を、抽出流体入口流路131Bから壁に隣接する抽出流路110の中まで搬送するための抽出流体入口108を有することができる。抽出流路110は、入口108から長さ方向にずらされまた抽出流路110から抽出流体を引き付けて抽出流体出口流路132Bへ搬送するそれぞれの抽出流体出口112を備えることができる。図1Aに示すように、共通の抽出流体供給ライン137は、例えば、抽出流体入口流路131Bへ配送するためにそれぞれのプレナム131Aへ抽出流体を配送するように、共通のポンプ又はプロセッサ出口から入口ヘッダ120Cへ抽出流体を供給する。同様に、共通の抽出流体除去ライン138に接続された出口ヘッダ120Dは、抽出流体出口流路132B及びそれぞれのプレナム132Aを介して、抽出流路110から抽出流体を除去できる。抽出流体を抽出流路110へまた抽出流路110から指向する他の流体配送機構も使用できる。] 図1A
[0026] 各抽出流体出口112は、以下により詳細に説明したようなナノ−ポア・フィルタ(ナノ貫通気孔)などそれぞれのフィルタ132を備えることができる。各抽出流体入口108も、また、ナノ−ポア・フィルタなどそれぞれのフィルタ128を備えることができる。備えた場合、フィルタは、例えば孔径が1μm以下とすることができる。但し、一以上の予期される実施形態では、他の孔径でも可能である。]
[0027] 試料流体は、抽出流路110の試料流体入口106の中を流れ得る。試料流体を抽出流路110から出すために、位置合わせした試料流体出口114を配設することもできる。例えば、ポンプ又は患者ラインから共通の試料流体供給ライン120は、試料流体を、プレナム134及び各試料流体入口106へ配送するために、入口ヘッダ120Aへ供給できる。同様に、共通の試料流体除去ライン104に接続された出口ヘッダ120Bは、試料流体出口114及びそれぞれの出口プレナム135を介して、抽出流路110から試料流体を除去できる。試料流体を抽出流路110へまた抽出流路110から指向させる他の流体配送機構も使用することができる。]
[0028] 抽出流体入口流路132B及び試料流体入口プレナム134は、抽出流体層と試料流体層間の界面の分裂を最小限にするようにしてそれぞれの流体を抽出流路110中に導入する構成とすることができる。図1A乃至1Cには、特定の形状を備えた入口106、108、及び出口112,114の構成が示されているが、他の構成及び他の数の入口及び出口も可能である。] 図1A
[0029] 抽出流路110は、例えば、ESRD患者のための腎代行療法に使用することも可能である。かかる構成においては、試料流体を血液とし、抽出流体を塩水又は透析液などの水溶液とすることができる。細胞質内封入体は、たんぱく質、イオン種、及び/又は他の望まない成分などの小粒子と比較すると、試料流体層内に留まる傾向がある。したがって、細胞質内封入体は、それらの人工流路表面との接触を低減及び/又は最小限にするように、抽出流路110の中間で分離させることができる。腎代行療法の実施形態において、血液の細胞質内封入体を含まない成分のみを、抽出流路110によって抽出することが検討されている。]
[0030] 細胞質内封入体は、抽出流路出口114で回収して患者に戻すことができる。抽出流体は、抽出流路出口112から回収し、例えば抽出流体出口流路132B及びヘッダ120Dを介して二次プロセッサへ指向できる。細胞質内封入体又は他の大粒子は、以下により詳細に説明するフィルタ136によって、抽出流体出口112から出て抽出流体出口流路132中に入ることを阻止できる。]
[0031] 抽出流路110内での分子の移送は、拡散によって支配され、流れは、混合或いは移流のない非乱流である。試料と抽出流体の流れの混合は、メンブレンレス(膜なし)分離装置の流路のサイズ及び流量に基づいて適当な流量を選択することによって防止される。透析器として機能するように構成される場合には、メンブレンレス(膜なし)分離装置は、血液と人工材料の間の接触時間を短くし、体外血液の量を少なくし、マイクロ流体デバイスのサイズをごく小さくして治療を行うことを可能にするものである。本明細書で用いられる限りにおいて、「体外」という用語は、必ずしも患者の身体の外被から血液を除去することに限定されるものではない。本開示は、患者の身体に埋め込まれたマイクロ流体抽出流路をその範囲から除外することを意図したものではない。]
[0032] 抽出流路110内の抽出流体の流れは、一以上の噴射ポンプ及び回収ポンプを適当に組み合わせて用いて、抽出流路110内の試料流体の流れとは独立に制御することができる。例えば、第一の噴射ポンプを用いて抽出流体を抽出流体入口流路131B経由で抽出流路110内に噴射し、第一の回収ポンプを用いて抽出流体を抽出流体出口流路132B経由で抽出流路110から回収することができる。同様に、それぞれの噴射ポンプと回収ポンプを用いてそれぞれ抽出流路110内に試料流体を噴射しまた抽出流路110から試料流体を回収することができる。]
[0033] ポンプの相対速度及び流れ回路の異なる地点での圧力低下を制御することによって、抽出流路110からでる試料流体の合計量を変更することができる。したがって、血液の処理でメンブレンレス(膜なし)分離装置を使用する場合には、流入速度及び流出速度を制御することにより、腎代行療法の従来の要件である患者の液量を調節することができる。]
[0034] 血液の処理用として構成されたメンブレンレス(膜なし)分離装置では、抽出流路110の深さ(即ち高さ)は、700μmから1300μmの範囲内とすることができる。但し、一以上の検討された実施形態に基づけば、この範囲以下の深さも可能である。抽出流路110は、幅対深さの比を少なくとも10とすることができる。例えば、抽出流路110の幅対深さの比は、50以上、好ましくは500以上とすることができる。本明細書では、象徴的な表現として特定数のポンプが用いられているが、他の実施形態では、より少ない又はより多数のポンプを使用することができる。]
[0035] 多くの理由により、小さい粒子と大きい粒子(即ち、小さい分子と高分子更には細胞質内封入体)の拡散率の差のみに頼る抽出流路110では、血液処理の基礎となる充分な粒子識別を行うことはできない。例えば、腎代行療法のための実際上のシステムでは、出口114から回収される試料流体が入口112から入るときに、血清アルブミンなどの高分子の有意な部分の空乏化が抑制及び/又は防止されることが好ましい。更に、このシステムは、血液細胞の損失も抑制及び/又は防止することができる。したがって、付加的な特徴を抽出流路110と組み合わせれば、通常メンブレンに関連する高度な識別機能とメンブレンレス(膜なし)分離装置の効果を得ることが可能となる。]
[0036] 血液処理の実施形態において、抽出流路110に供給される抽出流体は、抽出流路の断面の約2/3を占め、中間に配置された患者からの血液が1/3を占めるようにすることができる。この構成は、血液及び抽出流体の流入を適当に調節することによって維持することができる。この構成では、抽出流路110内の血液層の各半分は、抽出流体層の一方の「点検を受け」、また、抽出流体層は、血液の平均速度即ち約半分の速度で移動する。但し、血液と抽出流体の界面速度は、ほぼ等しい。したがって、所定期間内に構成単位を通過する血液量と抽出流体量は、ほぼ等しい。このように制限はないが、本明細書に記載されている構成においては、二つの流体(例えば、血液と抽出流体)の流量が互いに異なると、交換効率は、均衡が取れている場合の最大50%から低下する。]
[0037] 図1D乃至1Fは、メンブレンレス(膜なし)流路の異なる構成及び形状を示す。図1Dは、血液又は試料流体の噴出が片側で行われ、抽出流体の噴出が反対側で行われるメンブレンレス(膜なし)分離流路170Aの象徴的に示した図である。したがって、流れは、シース(鞘)作用をもたない。流れの中の細胞質内封入体は、流れの最も低いシャー(ずれ)部分に移動し、CBF及び抽出流体が存在する場合には、ナノ多孔性フィルタで(又はナノ多孔性フィルタなし)それらを出口160でスキムできるようになる。図示のように、CBFは、両側又は片側で抽出することができる。図1Eは、ほぼ直線の流路の壁が精密には平行でないメンブレンレス(膜なし)分離流路170Bの一実施形態を示す。壁171は、流路が、流路の出口161近くでわずかに狭まるように傾斜している。代わりの実施形態においては、流路の形状は、直線ではないようにもできる。幾つかの実施形態においては、流路自身の中で流れの逆転又は混合作用がほぼ生じない程度に平行な壁から乖離した構成とされる。図1Fでは、出口162での流路の壁は、流路の両側で合流している。流体は、流路出口で取り除かれるので、図1E及び図1Fに示す実施形態の収斂(集合)は、流れの細胞質内封入体収容部と流れの抽出部分の界面における安定性の維持に役立てることができる。] 図1D 図1E 図1F
[0038] 図2Aは、二つのポンプを用いて限外ろ過法の実施形態の特徴を示すメンブレンレス(膜なし)分離装置の概念図である。この実施形態では、血液ポンプ140は、試料流体、血液、又は血液流体を、出口に沿ってメンブレンレス(膜なし)分離装置120の中に汲み出す。試料流体が血液の場合、患者156に接続された中央アクセス部153、例えば患者156の鎖骨下動脈に取付けられているカテーテルを配設して、血液を血液入口ライン152に沿って血液ポンプ140へ供給し、また血液をメンブレンレス(膜なし)分離装置120の出口ヘッダ120Bから患者156へ戻すことができる。図では人に接続されているが、もちろん、メンブレンレス(膜なし)分離装置を血液供給/リザーバ及び/又は生きた動物に接続することも考えられる。] 図2A
[0039] 図1A乃至1Cに関して上述のメンブレンレス(膜なし)交換分離装置120と同様に、図2Aに示す構成も、平行に配置された多数の抽出流路110を備えることができる。各抽出流路110は、限外ろ過のために、流れている血液から血漿の一部分を抽出するために使用できる。例えば、入口ヘッダ120Aを介して抽出流路110に入る血液から血漿をスキムして、出口流路132Bを介して抽出流体と共に排出することもできる。] 図1A 図2A
[0040] メンブレン147(例えば、管状フィルタ繊維)付きの限外フィルタ146は、処理された抽出流体を搬送して、配管143を介してメンブレンレス(膜なし)分離装置へ返し、同時に、限外ろ過液を、限外ろ過ポンプ148によって抽出流体から除去することが可能となる。この構成では、限外ろ過ポンプ148と組み合わされた抽出流体ポンプ144は、協働して、メンブレンレス(膜なし)抽出流路110の中に入る抽出流体の流れ及び限外フィルタ146からの限外ろ過液の正味抽出量を制御する。これらが、次に、試料又は血液流体から抽出流路で流れ出る抽出流体の中に入るCBFの正味の流量を決定する。限外ろ過液を除去するためにポンプ148を使用することは、必ずしも必要ではない。むしろ、限外ろ過液を除去するためにメンブレン147を通すためには、例えばポンプ144によって生成される圧力などの限外フィルタ146を通る流れによって誘起された圧力で充分の場合もある。]
[0041] ポンプ140及び144(又は他の可能なポンプ構成)を用い、抽出流体出口流路132Bを介して抽出流体のみ又は抽出流体プラス規定量の試料流体を回収するように抽出流体及び試料流体(例えば、血液)の流れを制御することもできる。同様に、ポンプ140及び144を制御して、抽出流体及び試料流体の流れを調節し、それによって細胞質内封入体を収容する試料層と抽出流体出口112中のフィルタの接触を調節することもできる。]
[0042] 抽出流体及び試料流体の流れを制御して、患者から水分低下の割合をできるだけ低く抑えるようにすることもできる。従って、水分低下の正味量を、望ましい治療時間や患者の要件と調和した最大持続時間をかけて得ることができる。水分低下は、抽出流体入口流路131Bを介して交換量より多量の抽出流体出口流路132Bを介して引き出して行うことができる。即ち、これらのポンプを制御して、出口と入口流量の差を低減及び/又は最小にし、また二つの流量を精密に調節できる。平均及び瞬間流量を精密に調節することによって、中央の細胞質内封入体収容層と流体出口の界面を維持し、細胞質内封入体と抽出流路110の壁又は出口のいずれかのフィルタとの接触を最小限にすることができる。]
[0043] ここに開示されたシステムで使用できるポンプの種類は、図示したものに限定されない。そうではなくて、当技術分野で公知であり任意の種類の流体ポンプを使用することができる。更に、図示したローラー・ポンプは、4つのローラーを備えたものを示したが、熟慮した一以上の実施形態に基づけば、それより少ない又は多いローラーを使用することも可能である。実施形態は、特定種類のポンプ或いは特定の流量に限定されないことを理解する必要がある。また、多くのバリエーションが可能なことは明らかである。]
[0044] CBFの分離(又はスキミング)を起こさせるために、入口及び出口の抽出流体の流れは、抽出流体入口流路131Bを介して供給される抽出流体より多くの流体が、抽出流体出口流路132Bを介して抽出流路110から回収されるように制御することができる。即ち、処理されている血液のCBFの一部分は、抽出流体とともに抽出流体出口流路132Bを介して除去される。この部分は、ポンプ144によって、配管145を介して限外フィルタ146へ汲み出すことができる。限外フィルタ146は、メンブレン147及び限外ろ過ポンプ148を用いるもので、それによって、処理された血液のCBF部分が配管143を介してメンブレンレス(膜なし)交換流路110へリサイクルされる前に、除去された血液のCBF部分(プラス抽出流体)から限外ろ過液を抽出することができる。]
[0045] シース(鞘)出口の流れを対応する入口の値より大きくできる抽出流路110を使用することによって、拡散性の流れの上下で、血流から対流性の流れを誘起する可能性のあることを理解する必要がある。かかる対流性の流れが、(血流中の細胞質内封入体の分布が均一である場合のように)それと共に血液の細胞質内封入体を運んでいくことを抑制及び/又は防止するためには、血液の細胞質成分は、血流の中央に移動して血漿の有意なスキミングを可能にすることが望ましい。様々な流れの状況の下で、細胞質内封入体のドリフト(漂流)が生じる可能性がある。流れの条件は、血流の界面から細胞質内封入体を離すように調節することができる。例えば、血液が、管の中を(管壁に対して垂直な血流速度勾配として測定して)約100s−1の壁のシャー速度より低い速度で流れると、このシャー速度で、細胞質成分が管の中央へ移動する。従って、細胞質内封入体とフィルタとの接触の発生を低減できる。]
[0046] 本明細書に記載されているマイクロ流体デバイスを満足に作動させるためには、長期的な安定性が望ましい。例えば、シース入口と出口流路の流れの差は、それを補正しないと、抽出流体が意図せずに血流の中に又は外に吹き出される恐れがあるため、抑制及び/又は制御することが望ましい。更に、試料流体又は血流と抽出流体の界面の安定性を維持することが望ましいであろう。従って、抽出流路110が配置されていると同じプレート、即ち「チップ」、の上に搭載されている電気的に活性化された装置(例えば、圧電バルブ)と共に、チップ系マイクロ流体デバイスの共通の特徴であるオンボードの電子及び光子部品(図示せず)を使用してシステムを調節する(例えば、流れの変化を導入する)ことができる。更に、緩衝室、弾性の浮袋(bladder)、準拠する配管長さ、及び材料の選択を含めてかかる特徴など機械装置のサイズを決め又は構成して、流量変動及び圧力パルスが分離流路内に伝播せずまた望ましくない移流を起こさないようにすることができる。]
[0047] 流体の流れの安定性を確保するための制御装置を配設することができる。例えば、メンブレンレス(膜なし)分離装置外の抽出流体中に細胞質内封入体が検出されたとき、或いは、独立の流れ測定センサが、規定量の血漿が除去されるとき又は血液量過多症の治療が行われるときに発生する恐れのある区切りの不均衡を超える血液と正味抽出流体間の流れの不均衡を検出したとき、システムを機能停止させて警報を発するような制御システムを配設することができる。]
[0048] 図2Aと同様に、図2Bは、多数のメンブレンレス(膜なし)抽出流路110を用いたメンブレンレス(膜なし)分離装置120の構成を示す。但し、図2Aと異なり、限外フィルタ146は、二次処理ユニット236と置換されている。] 図2A 図2B
[0049] 二次処理ユニット236は、限外ろ過液、とくに小分子及び大分子を対象とした広範囲の吸着剤を用いた吸着、触媒、透析再生、及び光学的処置(循環光療法)などを含む抽出流体又はCBFを処理するための様々なメカニズムを備えることができる。血漿分離膜を用い、無菌緩衝液の流れを血液に導入し、より多量の流体及びそれに伴う分離膜メンブレンを通過する小さな分子の存在を許して、低分子量の溶質を除去することも可能である。従来の分離膜では、この無菌緩衝液の量は、ダイアフィルタ(血液ろ過器=商標)の前後に付加される。抽出流体の主な源である二次セパレータからの血流又はリサイクル流体へそれを加えることは効果がある。二次プロセッサ236は、試料流体との望ましい相互作用が得られるように受け取った抽出流体を処理するための様々なメカニズムを使用でき得る。限外ろ過、分離膜、及び透析に加えて、これらのメカニズムは、特定の小さい及び/又は大きい分子を対象とした吸着剤を用いた吸着、化学反応、及び沈着を含むことができるが、含むものはそれらに限定されない。下記の国際公開は、二次プロセッサとして使用するための適当な血液透析フィルタの例を記載している。2002年2月7日出願のコリンズ等の国際公開WO2002/62454号,2001年12月7日出願のコリンズ等の国際公開WO2002/45813号、及び2001年10月30日出願のコリンズ等の国際公開WO2002/36246号.]
[0050] 二次プロセッサで抽出流体が受ける処理は、全血又は細胞質内封入体を含まない血漿を用いる従来の様々な種類の処理で行われるものとほぼ同じものとできる。二次プロセッサは、抽出流体を再生させるために用いられる様々な装置のいずれかを含むことができる。例えば、メンブレン装置又は吸着装置を使用できる。更に、抽出流路及び二次プロセッサシステムの用途は、腎代行療法に限定されるものではない。例えば、かかるシステムを、特定の疾病に関係する物質を除去、破壊、又は不活性化するために用いることもできる。例としては、酵素反応器、クリオプレシピテータ、及び/又は紫外線照射器を挙げることができる。このシステムは、また、非血液試料流体から成分を抽出して、二次プロセッサが抽出流体及び除去してはならない試料流体の成分の少なくとも幾つかを受け取るために使用することができる。]
[0051] 二次プロセッサ236は、メンブレン分離装置120と共に作動して、抽出流路110からの高分子の流出と、二次プロセッサ236によって保持され、配管143を沿ってメンブレンレス(膜なし)分離装置120内の抽出流路に戻される高分子の流入とを自動的に均衡させようとする。即ち、二次プロセッサ236は、それが抽出流路110の抽出流体入口流路131Bへ戻すリサイクルの流れの組成によって、抽出流路110の作動を調節する。]
[0052] 血液療法において、血液中に保持しておくことが望ましい高分子の一例として、血清アルブミンが挙げられる。上述した抽出流路の実施形態などの拡散系交換装置を通るたびに、アルブミンは、小溶質の速度の1/4以下の速度で拡散する。しかし、腎代行療法の処理では、尿素及び他の低分子量の代謝廃棄物の溶質が全身至る所の水分区画に分布しているため、身体からそれらを除去するためにある所与量の血液が、何回も交換装置を通らなければならない。尿素は、全てのかかる低分子量の代謝廃棄物溶質の代用になると考えられており、測定が容易である。したがって、尿素空乏化後のある量の血液によって尿素を組織から取り出して補充すべき抽出流体へ送り、それと同量おそらく処理における10倍の量を組織に戻して、より多くの尿素を取り出し、それを抽出流体へ送る必要がある。即ち、アルブミンは、尿素と比較してゆっくり拡散するため、ある所与の微量のアルブミンは、抽出流体によって取り出される機会をはるかに多く持つことになる。その結果、アルブミン固有の拡散速度は(尿素と比較して)はるかに小さいが、アルブミンが部分的に除去されても、尿素の部分的除去を超える傾向がある。]
[0053] 二次プロセッサ(例えば、尿素及び水の抽出が可能であるがアルブミンの抽出はできないメンブレン装置)は、二次プロセッサによってアルブミンを処理された抽出流体の中に戻すことによって、血液に対してアルブミンの除去を確実に防ぐために使用することができる。それに対して、尿素は、二次プロセッサによって抽出流体から除去され、抽出流体は、尿素空乏化後に抽出流路へ戻される。したがって、再生された抽出流体は、より多くの尿素を抽出流路内に取り出すことができる。上述のように、戻る抽出流体の流れは、一つの選ばれた水分含有量を有することができる。したがって、この流れの組成は、尿素及び水のさらなる抽出を回復させるが、アルブミンのさらなる抽出を回復させることはない。但し、処理済みの血液と抽出流体の間のアルブミン濃度の差はなくなる。]
[0054] 抽出流体の入口流量と出口流量の差を制御して、排出する試料及び抽出流体の流れの組成を制御することができる。腎代行療法では、抽出流路からの抽出流体の流出流量が流入流量と等しい場合には、二次プロセッサによって尿素が除去されても、流出する抽出流れ中のアルブミン及び他の高分子の正味の流れは、試料(血液)の流れ中の戻る正味の流入と自動的に均衡がとられる。抽出流路から除去される体積流量が、抽出流路に戻される流体の割合より大きい場合には、患者の水分量は、水分ドローダウンによって低減する。閉ざされたループである抽出の流れ中の濃度は、アルブミンを含む高分子の濃度がリサイクルの流れの中で上昇して試料の流れのレベルに適合し、移送の均衡が維持され、処置終了後に体外回路に残る何らかの成分を除いて、かかる成分の純損失がなくなるように増大する。]
[0055] 図2Bに示すシステムは、また、抽出流体リザーバ(図示せず)を備えることができる。抽出流体リザーバは、新鮮な抽出流体(例えば、血液濾過に用いられる代替流体又は好ましい血液処理の実施形態用の透析液など)を、メンブレンレス(膜なし)分離装置120と二次プロセッサ236間の流れのループへ供給することができる。幾つかのの実施形態の通常の作動時には、抽出流体中に拡散した血液流体の成分は、二次プロセッサ236によって除去される。一定の条件下では、血液流体から抽出流体中に拡散するフィブリノーゲンなど一定の血液成分は、出口のフィルタの表面に沿って集まる。これらの物質は、抽出流体の流れを一時的に反転させ、少量の抽出流体のみを使ってフィルタを洗い流すことによって、出口のフィルタの表面から除去することができる。この量の抽出流体は、血液流体に対する抽出流体の正常な並流を再確立した後に、抽出流体リザーバから補充することができる。この「ブローバック」作業を行う必要性は、フィルタ或いは流れ測定装置前後での圧力低下によって判定することができる。これらの装置は、図2Bのシステムに一体化できる。抽出流体リザーバは、処置用代替流体源としても使用でき、それによって例えば血液ろ過療法で行われるような処理目的のために患者から排除されるべき量より多くの水分及び溶質量を二次プロセッサにおいて慎重に排除することができる。ポンプ140、144は、プログラマブルなプロセッサを備えることのできるコントローラ240によって自動的に制御できる。] 図2B
[0056] 既に説明しまた本明細書の他の部分でも説明するように、血漿を無差別に除去することが望ましくない場合には、メンブレンレス(膜なし)分離装置120を用いて血液からスキムした血漿は、二次プロセッサ236で処理され、該二次プロセッサは、それが抽出流体入口流路131Bへ戻すリサイクル流れの流速及び組成を介して抽出流路110の作動を調節する(即ち、リサイクル流れは、抽出が望ましくない血液成分の移送を制限するのに用いられる)。二次プロセッサ236は、濃度分極がタンパク質に限定されており細胞質成分を含まないという事実から、高いろ過速度を達成するために、有意の効果が生じる。更に、細胞質内封入体は、細胞質内封入体の移動という作用を介してまたオプションとして補足的に出口のフィルタの作用によって抽出流路110に保持されるため、これら細胞質内封入体の大半が人工物質に出会うのは、その管路表面上のみである。比較的少量のいくつかの細胞質内封入体は、出口のフィルタと接触するであろうが、その接触は、細胞質内封入体の全数の小さな一部分に限定され、しかも比較的短時間に起こるだけである。細胞質内封入体の液−液接触区域での接触の外傷性は、極めて低く、機械的及び化学的に生体非適合性の低減及び抗凝固療法の必要性の低減(或いは排除)が達成される。更に、システム内の一次移送面は、元来汚れないものであり、またフィルタの表面は流体のシャー速度によってきれいに掃引されるため、長期又は連続作動に対する大きな妨害要因は除去され、長期的に連続使用しても交換の必要性が少ないという効果のある着用式及び/又は歩行用システムの可能性が開かれる。]
[0057] 抽出流路内での抽出流体と試料流体の界面は、抽出流体と試料流体の相対流量を調節することによって変えることができる。更に、抽出流体出口を受ける一又は複数の流れ(例えば、出口ヘッダ120Dから排出される流れ)に検出器233を配置して、排出される一以上の流体内の物質、例えば排出される抽出流体内の又は抽出流路内部の望ましくない血液成分を検出することができる。検出器233からの信号は、次に、試料及び抽出流体の相対流量を調節するために使用でき得る。かかる検出器の例としては、抽出流路に配置されて細胞質内封入体のない流体を受け取っているはずの抽出流路出口内の赤血球を検出できる不透明モニタ及び限外顕微鏡が挙げられる。代わりに又は更に、(例えば、流れから排出される試料流体の出口ヘッダ120Bと並列の)血液戻しラインに、患者の血流状態をモニタするための検出器235を配置することもできる。例えば、検出器235は、不適当な流体の流れで生じる細胞質内封入体の破裂、或いはシステムを長く作動させ過ぎて生じる血液量減少の始まりを示すことのできるヘモグロビン検出器とすることができる。抽出流体と試料流体の全流量及び相対流量を調節して、かかる状態を補正できる。別の実施例では、検出器235は、ヘマトクリット値(赤血球容積率)センサ、電解質センサ、グルコース・センサ、カリウム・センサ、或いは他の当該技術分野では一般に使用されている血液モニタ・センサとすることができる。]
[0058] 本明細書の幾つかの説明中では、単一の抽出流路及び単一の二次プロセッサが同定されているが、適用技術分野の当業者には、名詞の単数形が必ずしも単一の構成要素の使用を強要するものでないことは明らかであろう。むしろ、例えば、単一の装置の中で多数の抽出流路及び/又は二次プロセッサを使用することができる。更に、多数の抽出流路を層構造又は重ね合わせ構造に形成して、試料流体と抽出流体の広い接触領域を確保しながら小型化を達成できる。更に或いは代わりに、多数の抽出流路を直列に配置して、一つの流路の出口が他の流路の入口として役立つ構成とすることも可能である。]
[0059] 上述のように、流体の流れの諸特性を制御して、細胞質内封入体を血液流体の流れ中で中央に集中させるようにできる。これによって、抽出流体の中に拡散する細胞質内封入体の量を低減することができるが、それでも、ある程度の細胞質内封入体の移動は発生する可能性がある。フィルタを抽出流路出口に配設して、抽出流体は、細胞質内封入体が抽出流体とともに抽出流路から離れることを抑制及び/又は防止するようにできる。即ち、フィルタの多くの孔は、この少数の細胞質内封入体が抽出流体と共に抽出流路から離れることを抑制及び/又は最小にすることができる。例えば、これら多くの孔は、その直径を、細胞がそれらの孔中に留まるのを抑制できる1000nm以下、好ましくは600nmと800nmの間とすることができる。更に、マイクロ流体の流れの高いシャー速度特性は、フィルタの表面で、この表面を「スイープ(掃引する)」のに充分なせん断力を与える。抽出流体中の細胞質内封入体の数は、比較的低く抑えられているので、この掃引動作は、フィルタの表面を細胞質内封入体のない状態に保つのを容易にし、それによって詰まりを抑制及び/又は防止するのに役立つ。]
[0060] 同様に、他の血液成分も、抽出流体と共に抽出流路から排出されるのを抑制できる。例えば、タンパク質フィブリノーゲンは、詰まり(凝固)を起こしやすく、幾つかの実施形態では、フィブリノーゲンが抽出流体とともに抽出流路から排出されるのを抑制及び/又は防止することが望ましい。従って、孔のサイズが例えば約50nmフィルタを使用するなど、これらフィルタの孔を、フィブリノーゲンを抽出流路内に留めるサイズとすることができる。更に、流体の流れ特性、流体の界面速度、及び流体の接触時間は、一定の血液成分の損失を抑制及び/又は防止する及び汚れを抑制及び/又は防止するにあたって、孔のサイズ選択を補完するように制御することができる。]
[0061] 様々な実施形態は、体外分離装置の連続使用に対して大きな阻害要因となることが知られている汚れ反応を排除し或いは少なくとも有意に低減するものである。とくに、メンブレンレス(膜なし)分離装置(本明細書では、メンブレンレス(膜なし)抽出メンブレンレス(膜なし)交換装置、メンブレンレス(膜なし)抽出装置及びメンブレンレス・セパレータとも呼ばれる)中の一次移送面は、生体適合性が高められまた界面が常時更新されるため、本来汚れないものとできる。従って、長期又は連続作動の大きな阻害要因が除去され、ほぼ連続して血液処理ができるという効果のある小型の着用式装置又はシステムのデザイン及び構成の可能性が開かれる。かかる装置又はシステムは、極めて小型で、患者が(例えば、病院又は診療所の環境外で)着用することができ、また外部の緩衝液リザーバ(リュックサックやブリーフケースの中或いは家庭や仕事場他に置かれたリザーバから)により供給を受けることができる。更に、汚れが低減されまた低い血流で長時間の作動を持続できるため、血液が身体から離れたときに必要とされる抗凝固処理などが体外回路に限定されて効果を示すように調節できる。当業者には理解できるように、診療所外での全身的な抗凝固処理を避けることは、極めて望ましい。]
[0062] 図3には、上述の装置200と同様なメンブレンレス(膜なし)セパレータ300を示す。このメンブレンレス(膜なし)セパレータ300は、抽出流路302、3本の分離入口流路304、306、及び308、及び3本の対応する出口流路310、312、及び314を備える。メンブレンレス(膜なし)セパレータ300は、それぞれ入口316及び318内に配置されたフィルタ324及び326並びにそれぞれ出口320及び322内に配置されたフィルタ328及び330を有する。使用される入口又は出口流路の数は、変えることができ、また、一又は複数の流路の入口又は出口内でフィルタを使用してもしなくとも良い。] 図3
[0063] 図3に示すメンブレンレス(膜なし)セパレータ300は、血漿交換装置として使用できる。例えば、入口流路306を介して抽出流路302に入る血液から血漿をスキムして、出口流路310及び314を介して抽出流体と共に排出することができる。このスキミングのプロセスは、入口流路304及び308によって供給されるより多量の抽出流体を出口流路310及び314からの回収によって達成できる。従って、この余分な量は、血液流体から除去されることになる。] 図3
[0064] 細胞質内封入体は、抽出流路302の低いシャー(ずれ)の流れ部分に向けて移動する傾向があるため、試料流体と抽出流体の間の混合層は、試料流体から来る細胞質内封入体の無いものとできる。従って、混合層に入った試料流体から、少なくともCBFは、抽出流体出口流路310及び314を介して排出できる。混合層は、試料流体出口流路314と二つの抽出流体出口流路310及び314の各々が共有できるため、それによって、この抽出流体は、正味量の増加を含むことができる。]
[0065] 本明細書の説明から、抽出流路302は、抽出流体が存在しなくても、血液から細胞質成分を分離し、或いは細胞質封入体の無い血漿を抽出するために使用できることは明らかであろう。CBFは、シャーで誘起される流れ中央への細胞質内封入体の自己拡散のために、比較的細胞質内封入体の無い抽出流路流体層から効果的にスキムできる。これと同じ作用を、抽出流体のないところで細胞質内封入体を濃縮するために使用することができる。抽出流体の壁近くの出口にある任意のフィルタ(例、322)は、抽出流路202から取り出されたCBF内に存在する細胞質内封入体を抑制及び/又は防止するのに役立つ。]
[0066] 図4は、図3の抽出流路302の出口322内のフィルタ330の拡大図を示す。フィルタ330は、出口流路314を抽出流路302に接続する開口部322内に配置することができる。フィルタ330は、図4に示すように逆「T」字形の断面を有することができる。但し、他の断面の形状も可能である。出口流路314の開口部322は、開口部322の側壁406に形成された二つの対向する溝部404を有することができる。溝部404は、フィルタ330の二つの対向するタブ408を受けることができる。この構成では、フィルタ330が、該フィルタ330をスライドさせて所定の場所内に設置できるものとなる。同様に、フィルタ330は、該フィルタ330をスライドさせて出口流路開口部322から出すことによって該出口流路開口部322から取り外しできる。かかる構成は、フィルタ330の交換が容易になる。] 図3 図4
[0067] フィルタ330は、開口部322とフィルタ330間の隙間をなくし、それによって抽出流体が強制的に表面の多数の孔を通って流れるようにするサイズ及び形状とすることができる。代わりに、フィルタは、フィルタの平面が抽出流路302に面するようにして、上流側及び下流側のそれらを支える段のある凹部中に嵌合することもできる。フィルタ330を設置しまた取外すために開口部領域322にアクセスするためには、様々な手法を使用できる。例えば、抽出流路300の側部を、取外し自在なプレートで密閉することもできる。従って、このプレートを取外すことにより、開口部316、318、320、及び322にアクセスすることができる。流路304、306、308、302、310、312、及び314を作るために用いる材料中にフィルタを一体形成することを含めて、様々なフィルタを機械的に搭載する構成が可能である。]
[0068] 図4に示すように、フィルタ330は、流路302の壁の一部分を形成することができる。フィルタは、流路302の壁と同一平面の滑らかな連続表面を画定することができる。そうすることで、フィルタは、表面に溜まる恐れのある物質が残らないようにできる。流路のサイズは、フィルタ表面に対して法線方向に小さいことが好ましく、実際には、小さい場合とくに当てはまる。何故なら、狭いスペースから生じる流体の高いシャー速度は、フィルタ表面を洗い流すのに役立つからである。この特徴は、血液が試料流体である場合、血液中のタンパク質及び細胞質内封入体が相対的に滑らかな表面をもたないフィルタ中に張り付く恐れがあるため、とくに有用である。更に、多数の孔は、蛇行せず分岐しない流路を画定することが好ましい。] 図4
[0069] 血液処理装置において、フィルタ328及び330は、細胞質内封入体が確実に抽出流体出口流路310及び314内に移動しないよう配設できることに留意されたい。入口フィルタ324及び326も、大きな粒子が抽出流路302中へ導入するのを防ぎまた抽出流路302内への抽出流体の流れを滑らかにするように配設できる。フィルタ330内に示されている多くの孔のサイズは、例証のためだけに非常に誇張している。事実上、孔のサイズは、直径1000nm以下、好ましくは800nm以下とすることができる。]
[0070] 即ち、試料流体及び抽出流体が抽出流路の中にあるときには、試料流体の様々な成分が、抽出流体層中に移動する可能性があるが、フィルタは、一定の粒子が出口流路を介して抽出流路から出ることを抑制及び/又は防止する。例えば、メンブレンレス(膜なし)分離装置が人の血液から物質を除去するのに透析プロセスに用いる場合には、例えば、約600nmのフィルタ孔のサイズを選択して、細胞質内封入体を除外し、それによって処置を受けている血液流体からの細胞質内封入体の損失を抑制及び/又は防止し、同時に、血液流体とフィルタの接触を低減できる。]
[0071] フィルタは、入口流路304及び308の開口部316及び318中に含めることができる。フィルタをこれら開口部の中に含めることは、流体が抽出流路302内に均等に分布することを容易にし、それによって抽出流体の導入を安定させるのに役立つ。出口流路310及び314内のフィルタ328及び300の場合のように、フィルタの表面を横切るシャー流れが維持されて、フィルタの表面から細胞質内封入体が掃引されることが好ましい。フィルタは、抽出流体は流れないが、試料流体は試料入口306を介して抽出流路302内に流れ込む期間があるような実施形態ではとくに有用である。出口及び入口での所定フィルタ断面のフィルタの孔サイズは、均一であってもよいが、入口フィルタの孔サイズは、出口フィルタの孔サイズとは異なってもよい。]
[0072] フィルタに望まれる性質には、抽出流路の流れがフィルタ表面を洗い流してきれいにし、抽出流路に面する表面上に細胞質内封入体或いは高分子が捕捉されるのを抑制及び/又は防止するのに役立つように、滑らかで規則的な表面を備えることが含まれる。加えて、フィルタ内に画定されている流路は、蛇行せずまた分岐しないことができ、また規則的な配列を形成できる。また、フィルタは、ろ過された流体のために滑らかで真っ直ぐな流路及び抽出流路内部の流れに面した滑らかな表面を画定することができる。任意の支持構造を含めて、フィルタは、粒子が多孔性の流路を直接通って流れ、特徴をなす小さな表面に固着しない或いは捕捉されないものとできる。かかるフィルタを生成する手法及びそれらがつくられる材料は、数多く存在するし、また更に開発され改良されることが期待される。即ち、上述したフィルタの性質は、血液又は血液流体の処理のために好ましいものではあるが、フィルタは、フィルタの構成及び構造に関して特定の方法に限定されるものではない。]
[0073] 同様に、本明細書に記載されている装置、方法、及びシステムは、軽量で、小型で、着用式及び/又は歩行用の構成とすることが可能であり、また家庭又はオフィス環境中でのESRD患者に容易に処方できるものである。着用式の構成或いは家庭用の構成は、人の腎臓の自然の機能をよりよく模倣した形で(病院又は診療所での従来の人工透析に比べて)より頻繁に行われる血液処理セッションの一部として使用することができる。これは、また、ESRD患者の生活の質を改善し、合併症を低減し、最終的には死亡率を低減することができる。]
[0074] 図5は、血液透析処理を行う合計コストを低減し、長期血液透析に関連する入院コストを低減し、更にESRD患者の生活の質を改善することを目的とし、メンブレンレス(膜なし)分離装置504を他の処理技術と協働的に利用して、血漿の他の血液成分からの分離と血液からの過剰な流体の除去の双方を可能にする二段階軽量限外ろ過装置500の概念図である。この限外ろ過装置500は、ポータブルで、電池駆動式装置であり、補充の限外ろ過を行い、現在では既存の診療所系及び病院系の血液透析マシンを週に3回以上利用しているほぼすべてのESRD患者が使用するのに適したものである。] 図5
[0075] 限外ろ過装置500は、患者が身に付ける、例えば腰の周りのベルトに着用して、例えば鎖骨下動脈中央でのカテーテルの差し込みによって血液へのアクセスができるように構成されている。限外ろ過装置500は、ESRDを備えた人々に対する従来の血液透析の補佐的療法として、血漿から過剰な流体を連続的に又は多時間にわたって抽出して尿素などの毒素を排除できるものである。この装置500は、従来の腎代行療法の治療を補足することによって、診療所又は病院系の血液透析の必要性を33〜66%低減できる。限外ろ過を毎日連続的に使用することは、患者の過剰な流体レベルを安定させ、必要な従来の治療頻度を低減するのに役立つ可能性があり、更に、ESRD患者の生活の質を改善し、コスト的な利益を生み出す可能性がある。本明細書に記載されているポータブル限外ろ過装置は、透析の継続中に、患者が正常な状態で動き回る(例えば、仕事、学校、家などに行く)ことを可能にするものである。]
[0076] 本明細書に記載されている限外ろ過装置500は、長期間連続的に(例えば、10〜196時間)着用でき、ESRD患者の排尿困難から生じる過剰な流体の限外ろ過を行い、更に、週ごとの除去が必要な毒素の一部分(例えば、10〜25%)を排除する構成とすることができる。かかる装置は、血液透析患者数の90%以上が現在治療を受けている診療所又は病院環境での透析のために通常週3回通院する必要性を低減できる。]
[0077] 限外ろ過装置500により生じるコスト削減の向上には、ESRD患者が透析センター(例えば、診療所又は病院環境)で人口透析を受けていないとき連続的に過剰流体及び毒素を除去する効率が高まり、透析液及びそれに関連して相当量生じる液体取扱いの必要性を低減及び/又は除去される結果、透析センターでの毎週の人口透析の回数が少なくなることによる労働コストの削減が含まれる。これは、メンブレンレス(膜なし)分離装置の長期的効果(例えば、透析プロセス中の血液と人工的表面との接触がないこと)を、ESRD患者にまで幅広く広げて、血液透析及び入院の全コストに対して同時に明白な影響を与えるものである。]
[0078] 限外ろ過装置500は、交換器内に並べられた多数のメンブレンレス(膜なし)抽出流路504aを有するメンブレンレス(膜なし)分離装置504、及び、透析液を使用しないか又は断続的に又は連続的に従来の透析よりはるかに低い率で比較的少量の透析液を使用するため、患者が多量の外因性の流体を運ぶ必要がない透析器508などのメンブレンを使用することができる。患者からの血液(又は他の試料流体)は、血液入口502を介して分配及び回収マニホールド538及び540と共に連結されたメンブレンレス(膜なし)抽出流路504aを含む第一段階モジュール504の中へ入る。分配マニホールド538は、流体を各メンブレンレス(膜なし)抽出流路504aへ分配し、回収マニホールド540は、各メンブレンレス(膜なし)抽出流路504aからの流体を回収する。血液は、血液出口部506を介して患者へ戻る。]
[0079] 上の図1Aを参照して、メンブレンレス(膜なし)抽出流路504aをより詳細に説明する。メンブレンレス(膜なし)分離装置504内では、血液からの血漿の分離ならびにESRD患者の血液からの代謝毒素の周囲の抽出流体内への拡散が起こる。メンブレンレス(膜なし)分離装置504を通過する血液の流れは、一以上のポンプ(図示せず)によって駆動される。流路504aの流量及び大きさは、血漿が細胞質内封入体から分離され、本開示全体を通して記載されているメンブレンレス(膜なし)分離装置本来の血漿分離プロセスによって除去されるように構成されている。メンブレンレス(膜なし)分離装置504は、一定間隔で交換するか或いはクリーニング及び殺菌後に再使用することができる。] 図1A
[0080] メンブレンレス(膜なし)分離装置504は、第二段階の小型で交換式ユニット508に連結することができる。このユニット508は、一般的な透析器で使用されるような中空フィルタの繊維束とすることができる。第二段階508は、メンブレンレス(膜なし)分離装置504によって分離された血漿のみを受け取る。メンブレンの面積は、規定された機能に適していることが好ましい。例えば、メンブレンの面積は、本明細書に記載されている限外ろ過の主要な適用例では、約200〜3,000cm2とすることができる。]
[0081] 毒素及び他の非細胞質成分を含む流体の所望量を除去するために、ポンプ520によって圧力差を生成することができる。第二段階の処理装置508は、高分子及び血液に戻すことが望まれる他の粒子を保持しながら、流体及び望まない成分、例えば、イオン種及び望ましくない中分子の除去を選択的に行える。第二段階508では、透析液を使用しないことが望ましい。過剰な流体は、代謝毒素も含んでいるが、経路に沿って、廃棄物ポート522及びそれに取付けられた廃棄物容器524、例えば1〜4lの回収バッグへ流れる。廃棄物容器は、コロストミー・バッグ(人工肛門排泄用袋)と同様、患者が着用し、定期的に空にすることができる。廃棄物口522は、廃棄物容器をそれに取外し自在に取付けるため、クリップなどのアタッチメント機構と共に配設することができる。]
[0082] 代わりに又は更に、限外ろ過装置500には、代謝毒素も含んでいる過剰な流体を受けて貯える処理用の内蔵リザーバ514を配設することができる。例えば、内蔵リザーバ514は、400〜500mlの体積をもつことができる。125ml/時の限外ろ過速度では、内蔵リザーバ514は、3〜4時間ごとに空にする必要があり、流体容量では正常な膀胱に匹敵するものとなる。ハウジング528は、リザーバ514が満杯になったとき患者がそれを空にできるドロップダウン式スパウト(吐水口)518を備えることができる。ハウジング528は、また、リザーバが満杯になったとき又は空になったとき、リザーバ514から空気が出て行けるエア・バルブを有することができる。]
[0083] リザーバ514は、空にする機構の状態、及び廃棄物容器のアタッチメント機構への接続状態をモニターするセンサを配設することができる。例えば、スパウト518上にセンサを配設して、それが閉位置(例えば、上の位置)にあることを検出する構成とすることもできる。廃棄物口の上にあるセンサは、廃棄物容器が取付けられていれば、それを検出できる。リザーバ514上のセンサは、リザーバが満杯であることを検出することができる。スパウトが下の位置にある、リザーバが満杯である、或いは他の緊急介入が必要な事態など、それを必要とする何らかの状態が生じた場合には、患者は、可聴的又は可視的機構によって知らされる。]
[0084] 低減した流体は、マニホールド538を介してメンブレンレス(膜なし)交換装置504へ戻され、その中の血液の溢れかたを正常にして、それを体内に戻して限外ろ過を行うことができる。抽出流体(例えば、水及び尿毒症性毒素を劣化させた血漿)をポンプで駆動して第一段階のメンブレンレス(膜なし)分離装置504に戻して連続した流れを形成し、それによって血漿を分離し、過剰な流体を限外ろ過し、代謝毒素をなくすことができる。]
[0085] ある計測した量の過剰な流体を第二段階508から抽出するのに必要な不完全真空を生成するためには、小型ポンプ520を使用することができる。装置500を制御して安全のための遮断を行うために、プログラム可能な電子モジュール512を使用できる。電源536、例えば、交換式又は充電式電池パックを、ハウジング528中に組込んで、限外ろ過装置500の様々な構成要素へ電力を供給できる。]
[0086] 操作に先立って、メンブレンレス(膜なし)交換装置504及び限外ろ過装置500の他の流体構成要素は、塩水などの血液標準液で迎え水することができる。従って、メンブレンレス(膜なし)交換装置504内を循環する初期の抽出流体は、血液標準液であろう。但し、操作開始後短時間内に、抽出流体は、第一段階504及び第二段階508を通って流れる血漿と平衡させ、最終的には取替えられる。ハウジング又は他の場所に、血液標準液のリザーバ(図示せず)を配設し、始動時に又は第一段階504で任意のフィルタを洗い流すためにハウジング528内で自動的に、周期的に消費される構成とすることができる。]
[0087] 限外ろ過装置500は、患者へ取付けられ(例えば、患者の前腕、脚、又は腹部に紐で止められた、又はベルト、三角巾、又はリュックサックで体外に着用した)コンパクトな囲い528(例えば、3〜20インチ3、又は、移動式輸液ポンプ装置の寸法及び重量と同様なもの)に収容され、一又は二つのルーメンを有し、好都合なスポット(例えば、腕、脚、胴、又は腹部)に挿入された一又は二つのシャント(分路)、カテーテル、又は他の従来の循環システムポート(一つは、ESRD患者から流れ出る血液用、もう一つは、ESRD患者に流れ込む血液用)に接続されて、囲いに配管(例えば、シリコン製配管)を介して20〜120ml/分の血流を囲いに供給することができる。限外ろ過装置500は、診療所で技術者によって一定間隔で取付け、取外し、整備されるか、或いは、患者の静脈系に針を再挿入するための技術者の必要なしに(例えば、非経口的栄養のために既に使用されているカテーテル又は皮下口部又は注入システムなど他の血液アクセス装置を用いて)患者から/に断絶不能にまた再取付け自在とされる。]
[0088] ハウジング528には、外部入力/出力装置又はインターフェース526を配設することもできる。インターフェース526は、コントローラ512と通信して、それに命令を与え又はコントローラ512をプログラムできる。また、インターフェース526は、視覚的及び/又は聴覚的機構を介して患者又はオペレータにデータ又は緊急信号を与えることができる。例えば、コントローラ512は、警報(を出すべき)状態を検出し、患者は、インターフェース526からの点滅光及び/又はサイレンによって治療を求めるように警告される。更に、患者は、限外ろ過器を調節、休止、停止、及び/又は再始動するためにインターフェース526を用いることができる。例えば、患者は、インターフェース526上の適当な制御機器に触れて、限外ろ過を休止することができる。]
[0089] 患者の血液流れ状況をモニターし、また限外ろ過装置の効果的動作をモニターするために、限外ろ過装置500全体にわたって様々なセンサを配設することができる。例えば、血液出口部506とマニホールド540との間で患者に流れる血液と並列にセンサを配設し、患者に流れる血液の特性をモニターすることができる。かかるセンサは、ヘマトクリット・センサ、電解質センサ、グルコース・モニター、又はカリウム・センサを含むことができるが、それらに限定されない。第二段階508の膜貫通圧力(TMP)も、適当なセンサを介してモニターして、メンブレンが故障したときには警報を出すこともできる。]
[0090] 限外ろ過装置500には様々な血液モニター用センサを一体に組込んで、血液成分を追跡することができる。これらセンサからのデータは、限外ろ過装置に搭載されたメモリ装置(図示せず)に記憶させることができる。かかるメモリ装置は、コントローラ512に組込むこともできるし、或いはハウジング528内に別途配設することもできる。センサからのデータは、定期的に或いは血液処理にインパクトを与えるおそれのある一定の事象と同時にリアルタイムでサンプリングできる。データは、コントローラ512が、オンザフライ(直接、大急ぎでの)制御及び限外ろ過の最適化のために、又は限外ろ過療法の定期的更新のために使用することができる。]
[0091] これらのデータは、安全性のために血液状態をモニターして、例えば、血液量増加又は血液量減少を抑制及び/又は防止するために使用することができる。記憶されたデータは、例えば、処方及び/又はダイエット及び/又は生活様式変更のための基礎として点検するために医師へ送信することができる。更に、これらのデータは、研究目的のために使用できる。例えば、心臓発作などの健康上の現象を血液の性質のリアルタイムでの変化と相関させるために記憶されたデータを使用することができる。これらの研究の結果は、次に、コントローラ512で使用して、差し迫った健康上の事象を示す可能性のあるデータの傾向をモニターすることができる。]
[0092] 入力/出力インターフェース526には、また、データ及び/又は命令を送信又は受信するように、他のモニター及び/又は処理用装置と通信するための通信機構を配設することができる。例えば、インターフェース526には、またアンテナ534を有する装置532と通信するように構成されたアンテナ530を配設して、二つの装置間で無線通信を行うことができる。代わりに、図5に示す無線通信設定の構成ではなく、インターフェース526をワイヤ又はケーブルで直接装置532に接続することもできる。装置532は、患者に又は患者の体内に配設された他の健康管理システムとすることができる。例えば、装置532は、インプラントされた(埋め込まれた)ペースメーカー、除(心臓)細動器、単体でインプラントされたヘモダイナミック(血流力学の)モニターに関連する心臓モニターとすることができる。装置532及びインターフェース526は、必要に応じて、データを共有して、統一された処理システムを提供するようにできる。即ち、限外ろ過装置は、他の医療装置(例えば、ペースメーカー、除(心臓)細動器、又は心臓モニター)と相互作用する自動システムの一部として、それらの装置を制御し、独自の介入、例えば適切な薬剤注射、及び突然の血圧低下による限外ろ過の中止を可能とすることができる。] 図5
[0093] 第一及び第二段階への流れの調節は、バルブ、分流器、ゲート、スイッチ、ポンプなどの任意の適当な手段によって行うことができ、メンブレンレス(膜なし)分離装置504内の様々な多数の配列セットの間のバイパスの流れを利用することが含まれる。技術者は、制御モジュール512にデータを入力して所定の流れレベルに対する手順及びタイミングをプログラムでき、或いは、プログラムを他の手段で入力又は選択できる。流れ制御の構成要素は、例えば、ギャング・アクチュエータによって、微小電気機械(MEMS)アクチュエータで、或いは任意の適当手段で作動させることができる。]
[0094] 限外ろ過装置500は、体外血液量が少なくて済み、治療時間を長くとれるので、限外ろ過装置をコンパクトな構成で提供することができる。例えば、本開示に基づく着用式(又は、少なくともポータブルな)システムは、一日当り20から24時間、例えば、約20〜50ml/分の血流量で使用できる。その場合、患者は、例えば、毎日4〜5時間装置なしで過ごすことができ、その時間を、個人的な衛生管理(例えば、シャワー又は入浴)、スポーツ活動、又は小型システムを着用又は使用してはできない他の活動に使用することができる。]
[0095] 他の実施例においては、限外ろ過装置の使用で得られる限外ろ過速度は、100〜300ml/時、例えば125ml/時、とすることができる。かかる限外ろ過速度では、患者の圧倒的多数は、通常起きている時間に毎日の限外ろ過処方を実行できる。大量の限外ろ過が必要な患者は、寝る前に単に廃棄物容器をハウジングの廃棄物口に接続することによって、この限外ろ過装置で夜間の限外ろ過を受けることができる。]
[0096] 限外ろ過装置500は、様々な流速からの選択及び/又は治療法に従った自動的な流量の変更が可能なように構成できる。マイクロ流体流路504aを配列するメンブレンレス(膜なし)分離装置504は、各流路での指定された流量範囲を維持するために、任意のESRD患者の必要に応じて、すべての流路又は流路の様々な部分集合を使用することができる。例えば、処方する医師又は選ばれた治療のプロトコル(取り決め)は、治療の一部には多い流量を必要とし、残りには少ない流量を必要とする場合があるであろう。]
[0097] 変形例において、限外ろ過装置は、うっ血性心不全で苦しむ患者から過剰な流体を除去するために作動することができる。他の変形例においては、限外ろ過装置は、肺水腫で苦しむ患者から過剰な流体を除去するために作動できる。更に他の変形例においては、限外ろ過装置は、高いコレステロール値を含む様々な肝臓疾病で苦しむ患者から過剰な流体又は毒素を除去するために作動できる。]
[0098] 図6は、限外ろ過装置を使用した流路の詳細な概略図である。患者622には、血液入口部616及び血液出口部618を介して限外ろ過装置600を取付けることができる。両口部には、バイパス・モジュール604を接続して操作することができる。バイパス・モジュール604内の血液入口バルブ626を入口部616に接続し、また、血液出口バルブ628を出口部618に接続できる。バルブ626及び628は、バルブの状態を適当に選択することで、血液入口部616へ入る血液が、血液出口部618へ分流できる構成とすることができる。] 図6
[0099] ポンプ612は、流体を、バルブ626からメンブレンレス(膜なし)分離モジュール606を介してバルブ628へ流して、患者へ戻すことができる。ポンプ612は、また、抽出流体を、メンブレンレス(膜なし)分離モジュール606を介しまた第一の抽出流体バルブ632を通じて二次プロセッサへ流すことができる。二次抽出流体630を、二次プロセッサの出口、保持タンク610、及びメンブレンレス(膜なし)分離モジュール606の抽出流体入口の間に配置することができる。]
[0100] 二次プロセッサ608からの廃棄物は、限外ろ過ポンプ614によってバルブ634へ向かわせることができる。バルブ634の状態を適当に選択することにより、廃棄物は、保持タンク610又は廃棄物ポート620へ向かわせることができる。廃棄物ポート620では、廃棄物を回収するために廃棄物容器624を配置できる。保持タンク610は、血液入口バルブ626に接続した出口を有することができる。保持タンク610は、また、その内容物を加熱するために、保持タンクに隣接して又はその内部に配置されたヒータ636を有することができる。]
[0101] 限外ろ過装置600の患者による使用前の充填及びプライミング(呼び水)シーケンスでは、血液標準プライミング(呼び水)流体、例えば塩水の入ったバッグを血液入口部616へ接続することができる。血液入口バルブ626と血液出口バルブ628は、ともに、開くことができる。次に、ポンプ612を稼動させ、プライミング(呼び水)流体がバルブ628を通過し、全ての空気が、血液出口部618を介して血液回路(破線)から抜け出るまでプライミング(呼び水)流体を循環させる。この時点で、血液出口バルブ628を閉じ、抽出流体バルブ632及び630を開くことができる。ポンプ612は、シース回路(点線)、二次プロセッサ、及び保持タンクが充満し、全ての空気がポート616にある空気パージ(浄化部)を介して排出されるまでプライミング(呼び水)流体を循環させ続けることができる。この時点で、ポンプ612は、稼動を止め、血液入口バルブ626及び血液出口バルブ628を閉じることができる。これは、プライミング(呼び水)流体が、メンブレンレス(膜なし)分離装置606内の任意のフィルタを通って二次プロセッサ608を充満させることを想定している。]
[0102] 限外ろ過装置が、所定期間で患者の治療を終えた場合には、装置を止めて取り外せる。但し、装置から血液が完全に除去できなければ、血液が、メンブレンレス(膜なし)分離装置の流路内で固まり、それにより再使用を妨げる恐れがある。従って、限外ろ過装置600は、全ての血液がシステムから確実に除去できるように、シャットダウン・シーケンスを採用できる。]
[0103] 限外ろ過装置600をシャットダウンするには、血液入口バルブ626を閉じて、また限外ろ過ポンプ614を稼動させることができる。次に、バルブ634を閉じることができる。血液入口バルブ626は、血液源としての血液入口部616から保持タンク610の出口へ切り換えできる。流体をメンブレンレス(膜なし)分離装置606の血液回路部分(破線)を通って循環させるように、限外ろ過の保持タンク610への迂回路を構成することができる。ひとたび、血液回路が保持タンク610からの流体で一杯になったら、全てのバルブ及びポートを閉じ、そして全てのポンプをシャットオフできる。血液回路中で充満した部位は、試験又は血液回路中に配置された適当なセンサを用いて判定することができる。]
[0104] 患者が引き続き再利用するために、限外ろ過装置は、殺菌処理を受けることができる。例えば、血液入口部616及び血液出口部618を閉じて、血液入口バルブ626と血液出口バルブ628の間のバイパスを開くことができる。バルブ630は、保持タンクに向けて開くことができる。限外ろ過ポンプ614は、この間、オフ状態に維持される。保持タンクのヒータ636を稼動させて、その中の流体を高温で、例えば約60〜85℃に暖めることができる。この温度に達したら、ポンプ612を作動させて、加熱した流体を保持タンクから血液回路(破線)及びシース回路(点線)並びに二次プロセッサを介して長時間、例えば約1〜4時間、循環させることができる。プライミング流体は、殺菌消毒シーケンスの終わりに限外ろ過装置から排出することができる。代わりに、プライミング流体は、再利用できる。必要な場合には、バルブ634を使用して、限外ろ過液を保持タンクに分流させてそれを補充することができる。]
[0105] 二次プロセッサ608は、装置の故障又は限外ろ過装置600を異なる処理条件で使用するため定期的に交換する必要が生じ得る。限外ろ過装置600が既にシャットダウンと仮定すれば、バルブ630及び632は、閉じることができる。古い二次プロセッサは、次に、手動で除去して、新しい二次プロセッサを挿入することができる。その後、前述の充填及びプライミングシーケンスを繰り返すことができる。]
[0106] 既存する処理技術の問題点は、細胞及び細胞外空間から血流へ身体の自然な流量(400ml/時)よりかなり早い速度で限外ろ過を行うことにある。その結果、患者は、急速な流体揺れ、低血圧、吐き気、卒倒、回復を果たすための長時間の透析等々で苦しむことになる。したがって、血液透析、血液ろ過、又は血液ろ過透析を行うと、通常は、流体の移送に関する生理的限界を超えた限外ろ過速度となり、合併症につながる。これを改善するには、血液ろ過、血液透析、又は血液ろ過透析をより低い頻度で行って、血液透析、血液ろ過、又は血液ろ過透析処理に関連する合併症を低減及び/又は最小にすること、並びに、より低い流量で、効果的で、より長い治療期間の限外ろ過を行うことが考えられる。即ち、本明細書に記載されているメンブレンレス(膜なし)交換を採用する限外ろ過装置は、患者の生活様式を改善するために広範囲の治療プロトコルの一部として使用できる。抗凝固剤と併用し又はせずにメンブレンレス(膜なし)交換を採用した限外ろ過法は、図5を参照して上述したポータブル装置を用いて、或いは、診療所の環境で単独治療として行うことができる。代わりに、メンブレンレス(膜なし)交換を採用した限外ろ過法は、診療所の環境で従来の人工透析と共に順次行うことができる。] 図5
[0107] 例えば、図7には、多数の限外ろ過セッションを組込んだ人工透析療法700を示す。特に、多数の限外ろ過セッション702,704(このうち、二次限外ろ過セッション704は、オプション可能)を従来の治療法706と共に実行できる。従来の治療法とは、血液ろ過、血液透析、血液透析ろ過、血液吸着、及び本明細書に記載した他の処置などであるが、それらに限定されるものではない。] 図7
[0108] 図7において、限外ろ過セッション702及び/又は704は、ポータブルな装置によって行えるが必ずしもそれで行う必要はなく、従来処理よりも全体として高頻度でまた長期間行うことができる。これは、流体の負荷が、長期にわたり、低い率で、規則的な(例えば、毎日又は隔日)処理によって管理でき、また、補助的な毒素の除去が、従来治療法の頻度の低いセッションによって上手に管理できる。限外ろ過セッション702及び/又は704は、図2A及び2Bの実施形態に基づいて行うことができる。例えば、限外ろ過セッション702及び/又は704では、図2Bに示す構成を採用することができ、二次プロセッサ236は、限外ろ過装置を含むものである。他の実施例においては、限外ろ過セッション702及び/又は704では、図2Bに示す構成を採用でき、二次プロセッサ236は、吸着剤系の血液毒素除去用の吸着装置を含むものである。吸着装置は、CBFに吸着剤を通すことによりメンブレンレス(膜なし)分離装置から入るCBFで少なくとも尿素を取除く構成とすることができる。更に他の実施例において、限外ろ過セッション702及び/又は704では、図2Bに示す構成を採用でき、二次プロセッサ236は、少なくとも一つの限外ろ過装置及び吸着装置の一方を含むものである。] 図2A 図2B 図7
[0109] 通常、診療所で行われる従来の処置と共に、歩行時、家庭で、或いは診療所の環境で限外ろ過を補助的に使用することは、患者の健康及び生活様式に大きなインパクトを与える。限外ろ過治療法は、本明細書で明確にしたように、限外ろ過装置によって実行できる。また、限外ろ過装置は、従来の治療後、透析診療所で技術者によって、或いは、患者の家庭又はオフィスで患者によって又は最低限の訓練を受けた介護者によって、容易に設けることができる。限外ろ過装置は、例えば1ml/秒を超える血流量で、少なくとも毎日6時間、好ましくは少なくとも毎日8時間、より好ましくは少なくとも毎日12時間、更に好ましくは長時間(例えば、4〜8時間)、更に患者によってはトータル4時間以下の中断を除いた連続使用に近い形で、操作でき得る。限外ろ過装置(例えば、図2A又は2Bに示したもの)は、また、少なくとも夜間に使用することができる。図7の治療プロトコル700の一部としての限外ろ過装置は、血液から水分を約0.4l/時及び好ましくは実質それ以下の割合で除去するように操作できる。限外ろ過セッション702及び/又は704中の血液の流量は、0.5ml/秒と5ml/秒の間とすることができる。] 図2A 図7
[0110] 限外ろ過装置は、以下に示す補助的療法の記載のいずれかに従って、直接毒素除去療法と共に毎日使用できる。既に述べたように、限外ろ過装置は、メンブレンレス(膜なし)分離装置内の血液のシース流れを用いて、血液とマイナスの生体適合性反応を起こす人工的表面との接触を低減/又は最小にすることが好ましいが、必ずしもその必要はない。更に、シース流れを用いる場合には、図4に330で示す流路フィルタ付きの流路を用いたメンブレンレス(膜なし)分離装置中に設置することができ、またそのために、本明細書に記載した流れの条件、とくに流路フィルタから細胞質内封入体を取除く要求に応じてかかる条件を採用することが好ましい。] 図4
[0111] 限外ろ過装置は、ポータブルにでき、患者が着用できることが好ましい。かかるポータブル装置は、電池駆動式にすることで外部電源との接続が必要ない構成にできる。限外ろ過装置は、使用前に初期プライミング及び充填処理に必要なものを除いて、透析液又は消耗流体をほぼ必要としない。限外ろ過装置は、患者が着用できる回収バッグなど、内蔵の廃棄物回収リザーバ又は廃棄物回収容器を含むことができる。]
[0112] 図7に示した処置プロトコル700の列挙した特徴のいずれか又は全てと、開示した限外ろ過装置を任意に組み合わせて使用して効果的な患者の治療を提供できる。例えば、治療方法は、毎日の(歩行時、家庭で、又は診療所での)限外ろ過を、毎日より頻繁でない、好ましくは週2日程度の従来の治療で補足することを含むことができる。限外ろ過法は、メンブレンレス(膜なし)交換装置であるか否かを問わず、ポータブル装置を使用することで行うことができる。限外ろ過法は、全血液をフィルタのメンブレンに曝すことを制限するメンブレンレス(膜なし)交換装置を使用する方法で行うことができる。] 図7
[0113] 他の変形例としては、ポータブルな限外ろ過装置を用いて毎日限外ろ過を行い、それを一日置きにポータブルな吸着系透析器を用いた吸着系透析療法で補充するものか、或いは、ポータブルな限外ろ過装置を用いて毎日限外ろ過を行い、それを一日置きにポータブルな吸着系透析器を用いた吸着系透析療法で補充し、それを更に週一回又は二回新鮮な血液透析液を用いた従来の透析法で補充するもとを挙げることができる。]
[0114] 限外ろ過装置は、また、週二回以下の直接毒素除去の腎代行療法(従来の治療法)を含む治療方法に毎日使用できる。この従来の治療法は、血液ろ過、血液透析、及び血液ろ過透析の少なくとも一つを含むことができる。少なくとも、この方法は、従来の治療法を間に挟んで限外ろ過を行うこと、例えば、毎日限外ろ過を行い、更に週一回又は二回、従来療法を行うことを含むことができる。この方法は、従来の治療法より低い流量でより長い期間限外ろ過を行うことを含むことができる。更に、この方法は、従来の治療法より頻繁に限外ろ過を行うことを含むことができる。少なくとも、この治療方法の限外ろ過部分は、メンブレンレス(膜なし)交換装置を使用することができる。]
[0115] 以上では、主として血液の限外ろ過法に関して説明したが、メンブレンレス(膜なし)分離装置は、ある範囲の体外生物学的流体処理に適用できる。例えば、メンブレンレス(膜なし)分離装置は、分析可能な流れる血液からCBFを生成するために使用できる。この分析は、インライン分析システムを用いてリアルタイムで行える。代わりに又は更に、流れる血液の細胞質内封入体が濃縮した流体部分を分析或いはサンプリングできる。メンブレンレス(膜なし)分離装置のマイクロ流体の特質によって比較的少量のサンプルで可能となったので、患者に与えるインパクトは最小限に抑えられ、それによって、メンブレンレス(膜なし)分離装置を、連続流体をモニタリングするために装着型装置へ組み込むことが可能となる。]
[0116] 図8は、メンブレンレス(膜なし)分離装置804及びインライン分析システム806を内蔵した流体部分分析システム800を示している。例えば、この流体部分分析システム800は、血液血漿分析装置として構成することができる。従って、小さな分離流路(好ましくは、本明細書の他の部分に記載した高さ及び幅の仕様に合致した)から血漿を引き出すことができる。患者802からの血液は、ポンプ808によって連続的に引き出すことができる。血漿は、流路フィルタの使用を含む上述と同じ機構によって、分離流路804で血液から分離することができる。] 図8
[0117] ほぼ細胞質内封入体のない血漿部分は、分析のために分析システム806へ送り、残る血液部分は、バルブ814を介して患者802へ戻すことができる。メンブレンレス(膜なし)分離装置804の血液出口と患者802の間には、オプションとして、血液をモニターして、装置の故障或いは血栓など起こり得る安全上の問題に備えるための血液モニタリング・センサ820を配置することができる。ポンプ808は、血液が、患者からメンブレンレス(膜なし)分離装置804を通って流れるように構成できることに留意すべきである。ポンプ808は、分離装置804の上流に示されているが、該ポンプは、流路中の他の位置へ配置することも可能である。更に、他のポンプを使用することもできる。また、ポンプを使用しないようにもできる。かかるポンプなしの構成では、血液は、患者802からの血圧に依存してメンブレンレス(膜なし)分離装置を通って流れることになる。即ち、メンブレンレス(膜なし)分離装置804は、血圧に基づき又はポンプ808を使用して、分析システム806へ所定の血漿流量を生成するように構成できる。]
[0118] 血漿出口には連続アナライザー806を接続することができる。この場合には、システム800を、血漿が患者802内を血液と共に移動している時と、アナライザー806によって分析している時の間に極めて僅かな遅れしかないようにして使用できる。分析システム806は、所定の血漿流量では流れの淀んだ領域が存在せず、入ってくる血漿によって連続的に浄化されるように構成された流路を有することができる。このようにして、血液成分のリアルタイムに近い測定を行うことができる。連続アナライザーの例としては、分光光度計、伝導度センサ、及びpHセンサが含まれるが、それらに限定されない。]
[0119] 分析システム806からの細胞質内封入体のない血漿は、血漿ポンプ810及びバルブ816を用いて、メンブレンレス(膜なし)分離装置からの血流と共に身体へ戻すことができる。代わりに、分析された細胞質内封入体のない血漿は、開口バルブ818によって処置できる。同様に、図8では血液が患者802へ戻されるように示されているが、細胞質内封入体の濃縮された成分は、処置するか又は患者へ戻すことができる。血漿又は細胞質内封入体の濃縮された成分は、アナライザー806へ搬送できる。アナライザー806は、単一用途のアナライザー又は連続アナライザーとすることができる。連続アナライザーが使用されるシステムにおいて、血漿は、例えば、0.5ml/分以下の低い割合で連続的に抽出することができる。これは、治療中に行うことができ、それによって、細胞質成分を分離又は濃縮する必要性から他の方法では困難であった血液成分の連続分析を行うことができる。例えば、吸収分光計などの光学的技術を用いて血漿の流れを連続的に分析することができる。] 図8
[0120] 一つの方法として、図9に示すように、メンブレンレス(膜なし)分離装置904の血漿出口に試料リザーバ906を接続することもできる。かかるシステム900は、患者902から血液を受取り、ポンプ908を使って該血液をメンブレンレス(膜なし)分離装置を通して流し、細胞質内封入体のない血漿部分と細胞質内封入体の濃縮された血液部分を生成することができる。細胞質内封入体の濃縮された血液部分は、バルブ912を介して患者902へ戻すことができる。リザーバ906は、その後の処置、分析、輸血、薬剤治療、又は製造目的のために患者902から血漿を捕捉する役目を果たす。リザーバ906は、ユーザによる断続的な手動サンプリングを可能にするため、注射ポート914を含むことができる。] 図9
[0121] 更に他の方法としては、メンブレンレス(膜なし)分離装置904の出口に全く何も接続しないこともできる。かかる構成においては、例えば、試験紙又は分析液をメンブレンレス(膜なし)分離装置出口から排出される細胞質内封入体のない血漿と周期的に接触させて測定を行うことができる。]
[0122] 細胞質内封入体のない部分の分析は、サンプリングした血漿の量、即ち分析による血漿の損失量を低減及び/又は最小にするように操作できる。かかる構成は、分析システムを小型化し、患者が連続的に着用でき、しかも血漿の損失を低減及び/又は最小にすることができる。一つの方法として、装置は、間隔を置いて血漿部分を提供するように構成することもできる。これは、ポンプを制御してメンブレンレス(膜なし)分離装置内の流量を操作することにより実現できる。例えば、ポンプを所々に置いて稼動させまた稼動を停止することができる。ポンプの速度を制御して、低速と高速の間で切換えるなどサンプリングの速度を制御することもできる。]
[0123] 分析システムは、連続的に患者へ接続できるので、断続的な分析期間中又はポンプが故障した場合に、メンブレンレス(膜なし)接触子から患者への逆流が起こるのを防がなければならない。これは、患者とメンブレンレス(膜なし)分離装置(804、904)の間に安全弁(812、910)を配設することによって達成することができる。この安全弁は、インライン締付けバルブ又はインライン逆止めバルブの形をとることができる。]
[0124] いずれにせよ、患者から取り出されるトータル量を最小にすることが望ましい。装置を患者の近くに配設することによって、通路の長さを低減及び/又は最小にし、従って、分析装置に充填するのに必要な流体の全量を低減及び/又は最小にすることができる。メンブレンレス(膜なし)接触子のサイズを小さくすることも試料量を少なくすることにつながる。分析装置内のポンプ及びバルブの配置場所を、分析に必要な患者からの流体量を低減及び/又は最小にする構成とすることもできる。]
[0125] 本明細書で説明したように、メンブレンレス(膜なし)分離装置は、血漿を抽出する充分な能力があるため、メンブレンレス(膜なし)分離装置を用いて、血液を遠心分離する必要なしに、処理するべき血漿又は新鮮な血漿又は他の流体と交換されるべき血漿を除去することができる。図10は、メンブレンレス(膜なし)分離装置を採用した血漿処理装置1000を示している。とくに、メンブレンレス(膜なし)分離装置は、血液出口流路1010及び血漿出口流路1012と共に抽出流路1002をもつことができる。血液入口ポンプ1008は、患者(図示せず)に接続されたアクセス部1004から全血を搬送できる。血液出口ポンプ1014は、血液出口流路1010内で受け取った細胞質内封入体の濃縮された血液を、アクセス部1006を介して搬送して患者に戻すことができる。出口1012内の細胞質内封入体のない血漿の流れは、ポンプ1016を介して治療モジュール1018へ搬送することができる。既に説明したように、ポンプ1008、1014、及び1016の流量を制御して、入口流路1012内にほぼ細胞質内封入体のない血漿を確保することができる。更に、既に説明したように、出口流路1012に流路フィルタを配設して、細胞質内封入体が進行中の血漿部分中へ移動するのを抑制及び/又は防止することができる。] 図10
[0126] 治療モジュール1018は、透析治療などの血液処理を行い、細胞質内封入体のない血漿部分に薬剤治療を行い、又は当該技術分野では公知である任意の他の血漿処理を行うことができる。治療モジュール1018による治療後、血漿は、アクセス部1026を介して直接患者へ注入することができる。代わりに、処理された血漿は、後で同じ患者又は他の患者へ血漿を輸液するために容器1022に保存することができる。]
[0127] 全血漿交換のための治療用血漿交換では、メンブレンレス(膜なし)分離装置は、従来の血液/血漿分離技術で現在使用されている遠心分離に取って代わるものとなるであろう。メンブレンレス(膜なし)分離装置によって人工的表面との接触を低減することが可能となるため、抗凝固剤の必要性は、低減するか或いは除去される。更に、メンブレンレス(膜なし)分離装置は、非常に少ない体外量で操作できる。従って、実施形態は、多量に必要とするシステムには適用できない小児科の事例に適当であろう。図11には、メンブレンレス(膜なし)分離装置を組み込んだ治療用血漿交換装置1100を示す。] 図11
[0128] とくに、メンブレンレス(膜なし)分離装置は、血液出口流路1110及び血漿出口流路1112を備えた抽出流路1102をもつことができる。血液入口ポンプ1108は、全血を、患者(図示せず)に接続されたアクセス部1104から搬送することができる。血液出口ポンプ1114は、血液出口流路1110内で受け取った細胞質内封入体の濃縮された血液を搬送して、アクセス部1106を介して患者へ戻すことができる。出口1112内の細胞質内封入体のない血漿の流れは、ポンプ1116を介して血漿交換装置1118へ搬送することができる。既に説明したように、ポンプ1108、1114、及び1116の流量を制御して、出口流路1112内にほぼ細胞質内封入体のない血漿部分を確保することができる。更に、既に説明したように、出口流路1012に流路フィルタを配設して、細胞質内封入体が進行中の血漿部分中に移動するのを抑制及び/又は防止できる。]
[0129] 血漿交換装置1118は、流量調節弁及び患者の望ましい血漿バランスが確実に維持されるようにするバランス調整装置を使用することができる。即ち、血漿交換装置1118は、出口流路1112を介して除去される血漿の量をモニターし、それに応じた割合で血漿容器1122からアクセス部1120を介して患者へ新鮮な又は献血された血漿(又は他の置換物質)を注入することができる。除去された血漿は、廃棄物出口1124を介して処理することができる。]
[0130] 血漿交換法の実施形態は、細胞質内封入体がメンブレンレス(膜なし)分離装置1204内の流れ中で分離される実施形態に拡張して、細胞質内封入体のない血漿部分を患者1202の血液流体から送出することができる。その結果得られる血漿部分は、分離装置1204の出口から従来の透析器1206及び/又は吸着剤システム(図示せず)の入力1212へと流すことができる。メンブレンレス(膜なし)分離装置1204からの処理された血液1214及び従来の透析器1206からの処理された血漿1216は、次に、組み合わせて患者1202へ戻すことができる。図12は、かかる構成1200を示している。] 図12
[0131] メンブレンレス(膜なし)分離装置1204は、機械的又はメンブレン系手段なしに、大量又は少量を収容できる細胞質内封入体とCBFの間の分離を行って、血液からの廃棄物の移送効率を向上できる。メンブレンレス(膜なし)分離装置1204は、大量の、例えば200〜500ml/分の血液を取扱うような構成とすることができる。従来の透析器1206を高度化及び/又は最適化して、小ないし中分子の溶質を除去することができる。この構成1200によって、血液外へのそれら拡散が抑制されていた比較的小さい溶質及び中分子は、抽出流体中で遊離させることができ、より容易に廃棄物中に拡散させることが可能になる。更に、従来の透析器1206のメンブレンの特性を、特定の用途又は処理様態に従って高度化及び/又は最適化することができる。従来の透析器1206は、また、現在の細胞質内封入体で利用可能なものより高いシャー速度で操作でき、それによって血流に対するインパクトを考慮することなく全ての分子の移送を増大させることができる(即ち、より高いシャー速度による細胞のリーシス(溶解)を避けることができる)。]
[0132] 実施形態において、メンブレンレス(膜なし)分離装置1204と従来の透析器1206を繰り返し使用することができる。かかる実施形態においては、再使用可能な素子は、例えば60〜85℃での熱湯消毒を用いて消毒される。かかる実施形態においては、透析器中に細胞質内封入体が無いことで、中空の繊維の損傷を最小にし、アルブミンなどの任意のタンパク質を除去するための殺菌技術をより効果的にできる。]
[0133] 各患者には固有の識別コードが割り当てられ、各治療セッションの前に、患者が保持するキー(即ち、USBサム・ドライブ又はRFID−コード化患者IDカード)によって検証するようにできる。これらの手段によって、従来の透析治療のコストを低減し、患者の安全性を高めることができる。]
[0134] 様々な疾病状態の治療に加えて、本発明に基づく装置又はシステムは、他の治療に有用な血液成分の抽出ならびに分子及び細胞質内封入体が血液中で分離して拡散するプロセスを研究する目的に使用することもできる。例えば、血液中での個々の分子種の拡散は、独立しては起きないかも知れないし、ストークス−アインシュタインの式で示されるような単純な形で大きさに依存するものではないかも知れない。更に、多くの溶質は、遊離体、複合体、血漿のたんぱく質に結合した形、細胞表面の一部分に結合した形、或いは細胞間溶質の形など多数の形に分かれるかも知れない。溶質の拡散速度に関しては、その異なる形が部分均衡に入っているか又は入っていないかも知れない。これらの現象は、メンブレンが存在すると(及び/又は細胞質内封入体が存在すると)、それが全体の移転速度を遅くしまた制御するため、不明確になり易い。従って、本発明に基づくメンブレンレス(膜なし)装置又はシステムは、これら現象の研究更には上記の速度が充分に高められ分離によってどれだけ多くの溶質がどれだけ早く除去できるかに限界を設定できるようなシステムの研究に有用な科学的手段として用いることができる。特定の例としては、アルブミンに結合したビリルビンが挙げられる。他の例としては、部分的に電離した塩として、血漿中の二つの陰イオンの形として、及び幾つかの細胞間に存在する形としての無機リンが挙げられる。]
[0135] 次に、図13Aを参照して、マイクロ流体セパレータ1300は、流路1324内のそれぞれの出口位置に基づいて血液1316の多数の成分を識別することができる。流路1324の中央にある第一の出口1308は、細胞に富んだ流れを受けるものである。抽出流体出口1314は、抽出流体1318及びCBFを受取るものである。一次流路1324の壁に隣接する二つのスキミング流路1310は、血小板など、比較的小さいがCBFと共に除去するには大きすぎ、また流路の中心線(小さいシャー領域)からは拡散して離れていく粒子に富んだ流体を受け取るものである。小さな粒子に富んだ流れは、それぞれの出口プレナム1304で受け取られる。細胞で富んだ流れは、それぞれの出口プレナム1302で受け取られる。] 図13A
[0136] 図13Bを参照して、タンデム型マイクロ流体流路装置は、二つのマイクロ流体セパレータ1340及び1341を有する。第一のセパレータ1340は、患者1346からの血液をその試料流体入口1347中で受け取り、CBFは、シース流体入口1361で受け取られる。セパレータ1340の壁状フィルタ中の孔は、血小板が、CBFと共にシース流体出口1363から流出できるような大きさとされている。例えば、孔は、約3μmとすることができる。細胞が濃縮された部分1348は、試料流体出口1372から離れて患者へ戻される。血小板を含む流れ1344は、第二のセパレータ1341の試料流体入口1374へ入る。第二のセパレータ1341の壁状フィルタ(ここには図示せず)は、血小板を阻止する大きさとされ、例えば、100〜1000nmの範囲の大きさとすることができる。新鮮な血漿は、シース流体入口1365に入り、CBF1354は、シース流体出口1367を通って出て行く。最終的に生成される流体1352は、試料流体出口1372から離れていくが、血小板を含む流れ中で濃縮され、壁状フィルタによって阻止される。この生成物は、処理してもよい。流体バランス調整機構を使用して、生成物1352が除去される速度で新鮮な血漿1350を供給してもよい。] 図13B
[0137] 図13A及び13Bの装置は、任意の流路から中サイズの粒子を除去するために使用できる。これらの装置は、更に大きさを選別するのに拡張することができ、また、直列に接続し、連続するセパレータで流体を反復的に処理し再処理することにより、これら選別能力を高めることができる。図13A及び13Bの装置の用途は、器官の移植前又は移植後に、合併症を予防するために血小板を除去することを含む。他の用途としては、血液から大きさの特徴を有しそのために選別できる一定種類の細胞を除去することが挙げられる。] 図13A
[0138] 本明細書に記載した様々な実施形態は、乱流による混合を抑制及び/又は防止する条件下で血液の混和性を伴う流体との接触によってメンブレンを使用せずに血液浄化を可能にする。本明細書に記載した実施形態が、例えば血液透析に有用であることは理解されよう。但し、これらの実施形態及びその変形例は、拡散のメカニズムを介した試料流体と他の流体間の交換が望ましい他の状況でも有用であることに留意する必要がある。]
[0139] 特定の交換速度のために抽出流路によって配設した界面面積は、本明細書に記載した原理に基づいて流路長さ、幅、及び数を適当に組み合わせることにより達成できる。必要な面積は、多数の抽出流路を配設して、また各流路が二つの界面を含むようにシース流れを用意するで得ることができる。(過度の拡散時間及び処理中の量を避けるための)低い高さ、(過度の圧力低下を避けるための)短い長さ、及び単一の装置の幅に関する実用上の制限という競合する要件は、抽出流路を並列に並べる即ち横に並べる或いは積み重ねる必要性を示唆している。これらは、実際のマイクロ流体デバイスで容易に達成できる。]
[0140] 記載した実施形態を用いて、多数の疾病状態を処理する目的のために単一で個別の血液を処理することができる。例えば、上説した治療法は、急性腎不全、急性肝不全、重症筋無力症における高い抗体レベル、及び他の自己免疫疾患の治療に使用することができる。他の用途としては、例えば、うっ血性心不全の病例における悪性敗血症血液又は流体の除去に加えて、ホモ接合性高脂質血症における沈澱又は吸着によるLDLの除去を挙げることができる。記載した実施形態は、また、エイズ患者のウイルス負荷の低減に役立てるため並びに他の種類の血液浄化法を必要とする患者の治療のために使用することができる。糖尿病患者、薬の過剰投与で苦しむ患者、毒物を摂取した患者、腎不全で苦しむ患者、急性又は慢性肝不全で苦しむ患者、重症筋無力症の患者、紅斑性狼痩、又は他の自己免疫疾患の患者も、上述した装置及びシステムの効果を享受することができる。例えば、本発明に基づく交換装置は、糖尿病を治療することはできないが、糖尿病の一以上の症状を改善することに役立てることができる。更に、上述の実施形態は、血液から自己免疫疾患の原因となるIgG分子又は他の分子の血液洗浄に役立てることができる。更に、本発明に基づく実施形態は、短時間の透析又は長時間の透析に使用することができる。ここに挙げられていない変調、疾病、及び症候群で苦しむ患者(又は獣医が使用する場合には動物)も治療することができる。]
[0141] 本開示は、ESRDの血液処理のための幾つかの例を提供しているが、本開示の原理に基づく血液成分の抽出は、処理のために遊離ウイルス性粒子など他の成分を除去するため、また、うっ血性心不全(CHF)の治療において水及び選択的ではない電解質の成分群を除去するために使用することができる。体外処理のための他の用途としては、他人の処置又は研究に有用な血液成分の抽出、とくに体外量がかなりの量になるため従来の機器は利用できない小児科の症例を挙げることができる。血漿の交換(即ち、血漿交換)及び血小板又は血小板は、この目的ために最も一般的に使用される処置である。本明細書では、主として血液処理及びそれに関連する問題が検討されているが、検討した方法の多くは、血液成分など他の流体の処理にも使用することができる。]
[0142] また、本明細書で検討した抽出流路及び関連する素子は、二次プロセッサに使用することができ、また、それらをつなげて流体成分を選択する多数の段階を形成することができる。例えば、二つの抽出流路をつなげて、第一の抽出流路の抽出流体を第二の抽出流路の試料流体路へ搬送するように、カスケードを形成できる。第二の抽出装置は、例えば、その壁に、第一の抽出装置の孔のサイズより小さい孔のフィルタを有するものとして、第二の抽出流路からの試料流体は、中間サイズの粒子を含むが、それが含む最小粒子の部分はそれより小さくできる。かかるカスケードは、任意の数の段階を含むことができる。]
[0143] 任意の又は全ての実施形態において、メンブレンレス(膜なし)流路は、図4に330で示したような流路フィルタ及び明細書で説明しまた本願に組み込まれている米国特許出願公開第2006/0076295号に記載の同様なフィルタを使用することができる。] 図4
[0144] 本明細書には、流体分離のための方法、システム、及び装置が記載されている。とくに、記載された方法、システム、及び装置は、それに限定されるものではないが患者からの血液などの生物流体を処理するための第一段階としてメンブレンレス(膜なし)分離装置を使用することができる。メンブレンレス(膜なし)分離装置は、連続的かつ非機械的な方法で、抗凝固剤を使用し又は使用せずに、血漿交換を行い、それによって、血小板のない及び細胞質内封入体のない血漿の流れを生成することができ、また、伝統的又は他の手段を使用する後の段階において、やはり抗凝固剤を使用し又は使用せずに、そこから溶質及び/又は流体を抽出することができる。メンブレンレス(膜なし)分離装置は、ESRD又はCHFの患者のための血液の治療など、様々な治療に適用することができる。例えば、患者の血液は、メンブレンレス(膜なし)分離装置を使用して、限外ろ過を行わずに患者から過剰な流体を除去することができる。]
[0145] 限外ろ過を行う装置は、入ってくる血流をほぼ細胞質内封入体のない血漿の流れと細胞質内封入体が濃縮された部分に分離する第一段階を含む(即ち、有する)ことができる。装置は、また、第一段階からのほぼ細胞質内封入体のない血漿の流れを受け取る透析液のない第二段階を含む(即ち、有する)ことができる。第二段階は、血漿の流れから過剰な流体、毒物、及び他の物質を選択的に除去して、処理された血漿を第一段階の入口へ戻すことができる。ハウジングは第一及び第二段階両方を含むことができる。]
[0146] 患者から過剰な流体を除去する方法は、患者から血液を除去し、血液の残部から血漿部分即ち細胞(赤血球及び白血球)及び血小板を含めてほぼ細胞質内封入体のない血液部分を分離することを含むことができる。該方法は、透析液などの薬物の不存在下でメンブレンを使用することによって、例えば、体外の複数の中空繊維メンブレンなどメンブレンを通して血漿部分を流すことによって、CBFの限外ろ過を継続するものである。]
[0147] 患者を治療方法は、患者の血液を流して、透析液などの薬物を含む抽出流体と混合せず直接接触させ、それによってCBFを抽出流体へ移転させることを含むことができる。抽出流体は、薬物に加えて、血液から既に分離されて循環して患者血液と接触するように戻される(再循環の流れの)CBFの一部分を含むことができる。混ざり合わせない接触は、平坦な分離流路中で並流とすることができる。分離流路中を通る抽出流体と患者血液は、血液と抽出流体の界面にほぼ応力や歪みのないように維持される。即ち、移流或いは非拡散的な混合は存在しない。抽出流体は、分離流路の出口で分離流路から抽出流体を引き出すことにより、流れる血液の残部から分離することができる。抽出流体は、CBF又は(再循環の流れの中での限外ろ過又は吸着剤又は化学薬品への露出などの結果)修正されたCBFを、新鮮な、又は、リサイクル及び/又は再生された薬物との組み合わせを含み得る。CBFを伴う再循環の流れ上では、限外ろ過法、循環光療法、吸着剤型腎毒性除去、又は他の処理を含む処理を行うことができる。]
[0148] 患者を治療する他の方法は、マイクロチャンネル内の生物流体の層流を用いて細胞質内封入体を含む生物流体の第二の成分から第一の成分を空間的に分離し、分離した第一の成分を処理システムへ供給することを含むことができる。一変形例において、空間分離は、生物流体中の細胞質内封入体を層流の一つの層で濃縮させ、CBFを遊離させる条件下で平坦なマイクロチャンネル中で行われる。CBFは、マイクロチャンネルから抽出できる層の形状にでき得る。抽出されたCBFは、再循環の流れ中で処理を行うことができる。抽出されたCBF及び平坦なマイクロチャンネル中を流れる患者血液は、血液と抽出流体の界面にほぼ応力や歪みがないような形で維持される。]
[0149] 患者の治療方法は、患者の血液を、抽出流体と混ざり合わないように直接接触させて流すことを含むことができる。抽出流体は、前に血液及び対象物から抽出されて血液と接触するように戻される前に処理されたCBFを含み再循環された流体を含むことができる。混合させない接触は、平坦な分離流路内を並流とすることができる。分離流路内を流れる抽出流体と患者血液は、血液と抽出流体の界面にほぼ応力や歪みがないような形で維持される。抽出流体は、分離流路の出口で分離流路から抽出流体を引き出すことによって、流れる血液の残部から分離することができる。抽出流体は、例えば、限外ろ過法、吸着剤又は化学薬品への露出、希釈、又は透析再生によって再循環の流れ中で調整された結果としてCBF又は修正されたCBFを含むことができる。CBFを伴う再循環の流れ上で、限外ろ過法、循環光療法、吸着剤型腎毒性除去、又は他の処理を含む処理を行うことができる。]
[0150] 慢性腎疾患の患者を治療する治療プロトコルは、置換流体、透析液、又は他の消耗体外流体を含んだかなりの量の薬物供給源に接続することなく血液の限外ろ過を行う歩行用又はポータブル限外ろ過装置を用いて患者の血液を限外ろ過することを含むことができる。限外ろ過は、第一の処理時に行い、第一の頻度で繰り返すことができる。患者の血液には二次処置も行うことができる。但し、二次処置は、第二の処理時に行い、第一の頻度より少ない第二頻度で繰り返すことができる。特定の実施形態においては、限外ろ過は、メンブレンレス(膜なし)分離装置、システム、又は方法を用いて行われる。]
[0151] 更により特定の実施形態においては、メンブレンレス(膜なし)分離装置を用いる限外ろ過法は、血液から流体及び尿毒症性毒素を分離することを含み、また、同時又は順次に生じる成分(又は相)の様々な組み合わせを含むものとする。これらの成分は、下記のものを含む。
o 第一の成分、その中で、流体及び尿毒症性毒素は、主として移流拡散によって、共に流れる抽出流体(これは、体外由来の流体を含むもの、或いは、主として又は全てリサイクルされたCBFからなるもの)中で捕捉され、その間、細胞質内封入体は、流れの比較的低いシャー層に移動するか或いは保持される。
o 第二の成分、その中で、メンブレンレス(膜なし)流路内の流れの比較的高いシャー層から、水、尿毒症性毒素、及び他の血液成分を含むが細胞質内封入体は含まない抽出流体は、除去される。
o 第三の成分、これは、細胞質内封入体が抽出流体の流れからは確実に抽出されないようにするナノ多孔性フィルタによってメンブレンレス(膜なし)流路の流体流れからろ過されたものを含む。
o 第四の成分、その中で、水及び尿毒症性毒素を含む比較的小さな分子は、メンブレンを通ってそれによって除去され、残る流体は、メンブレンレス(膜なし)分離流路へリサイクルされる。]
[0152] メンブレンレス(膜なし)分離装置は、また、血液からの血漿の分析、回収、及び/又は交換に適用できる。例えば、血液分析の方法は、患者からメンブレンレス(膜なし)分離装置への入力血流を提供すること、該血流をメンブレンレス(膜なし)分離装置を通して流してCBFが血液の残り部分から空間的に分離されるようにすること、CBFは出口を通して流すこと、及び出口から細胞質内封入体のない血漿部分を分析することを含むことができる。血液の血漿を分析装置は、血液の入口及び血漿の出口を有するメンブレンレス(膜なし)セパレータを含むことができる。メンブレンレス(膜なし)セパレータは、血液入口の血流から血漿出口での血漿の流れを生成するように構成することができる。装置は、また、分析器及び血漿出口に接続された試料リザーバの少なくとも一方を含むことができる。メンブレンレス(膜なし)分離装置を用いた血漿の抽出は、血液からのCBFの分離を含み、また成分(又は相)の様々な組み合わせを含むことができ、これらは、同時又は順次に行うことができる。それらは、以下のものを含む。
o 第一の成分、その中で、流れの低いシャー層に向けて動かされ又はその中に保持され、また細胞質内封入体のない(又は劣化した)血漿は、比較的高いシャー層に分離されるような細胞質内封入体の層の形成によって、血漿流体は、細胞質内封入体から分離される。
o 第二の成分、その中で、血漿は、メンブレンレス(膜なし)流路内の流れの比較的高いシャー層から除去される。
o 第三の成分、これは、細胞質内封入体が抽出流体の流れからは確実に抽出されないようにするナノ多孔性フィルタによってメンブレンレス(膜なし)流路の流体流れからろ過されたものを含む。
o 第四の成分、その中で、血漿は、放棄され、又は分析器又は試料リザーバへ供給される。血漿交換療法の実施形態において、後者には、新鮮な血漿源から抽出された血漿の代替物も供給される。]
[0153] 患者の血漿を交換する方法は、患者からの血液をメンブレンレス(膜なし)分離装置を通して流して、CBFが血液の残りの部分から空間的に分離されるようにすること、CBFを抽出すること、及び、分離される血漿の抽出とほぼ同じ速度である量の代用流体量を患者に供給することを含むことができる。一実施形態において、CBFが抽出され、また代用物の流れは、実質的に血漿である。]
权利要求:

請求項1
患者の慢性腎疾患の治療方法において:メンブレンレス(膜なし)マイクロ流体流路にプライミング(呼び水流体処理)を行ってメンブレンを濡らすこと;少なくとも4時間の間、限外ろ過処理を行うことであって、ポータブル装置内で、血液から細胞質内封入体を空乏化した部分が生成されるような寸法を有するメンブレンレス(膜なし)マイクロ流体流路中にかかる流量で血液を通すこと、細胞質内封入体を空乏化させた部分の一部をメンブレンレス(膜なし)マイクロ流体流路から除去すること、メンブレンを用いて、細胞質内封入体を空乏化した部分の除去された一部から少なくとも水を抽出すること、及び、細胞質内封入体を空乏化した部分の除去された一部を若干の水を差し引いて、メンブレンレス(膜なし)マイクロ流体流路へ戻すこと、前記限外ろ過処理の限外ろ過速度では、0.4l/時未満の限外ろ過液の生成速度が生じること;を含み限外ろ過処理を少なくとも毎日繰り返して、該限外ろ過処理は、体外由来流体の連続消費を必要としないこと;及び毎日未満の頻度で、血液と吸着剤又はメンブレンを通した体外由来流体のかなりの量の供給物の間で血液成分が交換される腎代行療法を行うこと、前記繰り返しは、腎代行療法を行う日か又は腎代行療法を行う日はとばして行われる;ことからなる方法
請求項2
前記細胞質内封入体を空乏化させた部分の一部を除去することは、細胞質内封入体を空乏化させた部分をそのサイズが1000nm未満の孔の配列を有する壁状フィルタであって、前記メンブレンレス(膜なし)マイクロ流体流路の壁の一部を形成する壁状フィルタを通すことよって、メンブレンレス(膜なし)マイクロ流体流路からの細胞質内封入体の排出を阻止することを特徴とする請求項1記載の方法。
請求項3
前記細胞質内封入体を空乏化させた部分の一部を除去することは、細胞質内封入体を空乏化させた部分をそのサイズが600〜1000nmの範囲の配列を有する壁状フィルタであって、前記メンブレンレス(膜なし)マイクロ流体流路の壁の一部を形成しまたメンブレンレス(膜なし)マイクロ流体流路の壁と連続する障害のない滑らかな表面を形成する壁状フィルタを通すことによって、メンブレンレス(膜なし)マイクロ流体流路からの細胞質内封入体の排出を阻止することを特徴とする請求項1記載の方法。
請求項4
前記流量は、少なくとも0.5ml/秒で5ml/秒未満であることを特徴とする請求項1記載の方法。
請求項5
前記限外ろ過処理は、メンブレンレス(膜なし)マイクロ流体流路を含み、血液流路の量を最小にすることによって患者の体外の血液量が最小にされるポータブル装置を患者に直近に配置することを特徴とする請求項1記載の方法。
請求項6
前記腎代行療法は、血液ろ過法、血液透析法、及び血液透析ろ過法の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
請求項7
前記腎代行療法は、吸着系透析を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
請求項8
前記腎代行療法は、血液から少なくとも尿毒症性毒素を除去するために、血液及び少なくとも10リットルの透析液の供給物が、メンブレンの両側を横切って通されることを特徴とする請求項1記載の方法。
請求項9
前記限外ろ過処理は、少なくとも尿素をそこから除去するように構成された吸着剤を横切って細胞質内封入体が空乏化された部分を通すことを特徴とする請求項1記載の方法。
請求項10
患者の慢性腎疾患の治療方法において:メンブレンレス(膜なし)マイクロ流体流路にプライミング(呼び水流体処理)を行ってメンブレンを濡らすこと;限外ろ過処理であって、ポータブル装置内で、血液から細胞質内封入体を空乏化した部分が生成されるような血流速度でメンブレンレス(膜なし)マイクロ流体流路中に血液と通すこと、但し、前記通すことによって血液の流れに、より高いシャー(ずれ)層と少なくとも一つのより低いシャー(ずれ)層を含む分離層が生じ、細胞質内封入体を空乏化した部分は、前記少なくとも一つのより高いシャー(ずれ)層と一致すること、及び、前記通すことによって生じた細胞質内封入体を空乏化させた部分から少なくとも水を抽出すること、を含む処理を、毎日少なくとも4時間行うこと;限外ろ過処理を少なくとも毎日繰り返し、該限外ろ過処理は、体外由来流体の連続消費を必要としないこと;及び、毎日未満の頻度で、血液毒素が吸着剤によって又は一回の処理中に毒素をかなりの量の薬物と交換することによって除去される腎代行療法を繰り返し行うこと;但し、限外ろ過処理の繰り返しは、腎代行療法を行う日に行われるか又は他の日のみに行われる限外ろ過のスケジュールに基づいてなされる;ことからなる方法
請求項11
前記少なくとも水を抽出することは、細胞質内封入体を空乏化させた部分をそのサイズが100nmと1000nmの間の孔の配列を有する壁状フィルタであって、メンブレンレス(膜なし)マイクロ流体流路の濡れた壁と連続する滑らかな表面を有する壁状フィルタを通すことによって、メンブレンレス(膜なし)マイクロ流体流路からの細胞質内封入体の排出を阻止することを特徴とする請求項10記載の方法。
請求項12
前記抽出することは、メンブレンを通して、細胞質内封入体を空乏化させた部分から水を引き出すことを特徴とする請求項10記載の方法。
請求項13
前記限外ろ過処理は、細胞質内封入体を空乏化させた部分から若干の水を差し引いたものをメンブレンレス(膜なし)マイクロ流体流路へ戻すことを特徴とする請求項10記載の方法。
請求項14
血液流量は、1ml/秒未満であることを特徴とする請求項10記載の方法。
請求項15
メンブレンを横切るメンブレン横断流量は、血液に対する限外ろ過処理によって行われる限外ろ過の正味流量であり、この正味流量は、0.4l/時以下であることを特徴とする請求項10記載の方法。
請求項16
前記限外ろ過処理は、メンブレンレス(膜なし)マイクロ流体流路を含み、血液流路の量を最小にすることによって患者の体外の血液量が最小にされるポータブル装置を患者に隣接して配置することを特徴とする請求項10記載の方法。
請求項17
前記腎代行療法は、血液ろ過法、血液透析法、血液吸着法及び血液透析ろ過法の少なくとも一つを備えたことを特徴とする請求項10記載の方法。
請求項18
前記腎代行療法は、血液から少なくとも尿毒症性毒素を除去するために、血液及び少なくとも10リットルの透析液の供給物が、メンブレンの両側を横切って通される請求項10記載の方法。
請求項19
血液から細胞質内封入体を空乏化させた部分を分析するための方法において:メンブレンレス(膜なし)流路を患者に接続すること;患者から血液を血流速度で前記メンブレンレス(膜なし)流路中へ流して、該メンブレンレス(膜なし)流路は、細胞質内封入体を血液の第一の層内で濃縮させて、細胞質内封入体が空乏化された部分からなる第二の層を形成するように構成されていること;前記第二の層の少なくとも一部を抽出して、細胞質内封入体が空乏化された部分の血液成分をメンブレンレス(膜なし)流路の出力に供給すること;及び、モニター期間中に、細胞質内封入体が空乏化された部分を流体分析装置へ連続して搬送して、該装置で細胞質内封入体が空乏化された部分の性質を測定して、細胞質内封入体が空乏化された部分の性質の連続指標を生成すること、前記連続して搬送することは、血液流量を制御して、メンブレンレス(膜なし)流路内での血液の凝固を防止することを含む;ことからなる方法。
請求項20
前記少なくとも一部を抽出することは、第二の層内の該細胞質内封入体を空乏化させた部分をその直径が1000nm未満の孔の配列を有する壁状フィルタであって、メンブレンレス(膜なし)マイクロ流体流路の濡れた壁と連続する滑らかな表面を形成する壁状フィルタを通すことによって、メンブレンレス(膜なし)流路からの細胞の排出を阻止することを特徴とする請求項19記載の方法。
請求項21
前記細胞質内封入体が空乏化された部分には、ほぼ細胞及び血小板がないことを特徴とする請求項19記載の方法。
請求項22
前記流体分子装置は、分光光度計、伝導度センサ、及びpHセンサの少なくとも一つを備えたことを特徴とする請求項19記載の方法。
請求項23
更に、メンブレンレス(膜なし)流路を患者の身体の直近にくるように患者に取付けることからなる請求項19記載の方法。
請求項24
更に、バルブの設定環境、メンブレンレス(膜なし)流路の入口で流れを制約するバルブを制御することによって血液流量を制御することからなる請求項19記載の方法。
請求項25
更に、逆止めバルブを用いて患者への血液の逆流を防止することからなる請求項19記載の方法。
請求項26
血液の血漿を分析するための装置において:対向する平行な壁、血液入口、及び二つの血漿出口を有するメンブレンレス(膜なし)流路であって、該二つの血漿出口は、対向する平行な壁と連続する表面を形成して各々が孔の配列を有する壁状フィルタを含むメンブレンレス(膜なし)流路、但し、前記メンブレンレス(膜なし)流路は、血流の中で細胞質内封入体を局在化させ、細胞質内封入体が空乏化された層を前記二つの血漿出口に隣接して形成させることによってほぼ血液から血漿を分離するように構成されている;及び、前記血漿出口に接続された流体分析装置及び試料リザーバの少なくとも一方;を備えたことからなる装置。
請求項27
更に、流路内の血液の凝固を防止する流量でメンブレンレス(膜なし)流路を通して血液を連続的に汲み出して、流体分析装置及び試料リザーバの少なくとも一方に至る連続する血漿の流れを生成するように構成されたポンプからなる請求項26記載の装置。
請求項28
流体分析装置及び試料リザーバの少なくとも一方は、針の口の付いた試料リザーバを含み、前記試料リザーバは、血漿出口から連続して新鮮にされた血漿を受け取り、またそこから連続して血漿を浄化するように構成されていることを特徴とする請求項26記載の装置。
請求項29
更に、流路内の血液の凝固を防止して、流体分析装置に至る連続する血漿の流れを生成する流量でメンブレンレス(膜なし)流路を通して血液を連続的に汲み出すように構成されたポンプからなり、流体分析装置及び試料リザーバの少なくとも一方は、血漿出口から連続して新鮮にされた血漿を受け取り、血液のリアルタイムの性質を示す連続的に更新された信号を生成する流体分析装置である請求項26記載の装置。
請求項30
流体分析装置及び試料リザーバの少なくとも一方は、分光光度計、伝導度センサ、及びpHセンサの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項29記載の装置。
請求項31
流体分析装置及び試料リザーバの少なくとも一方は、針の口の付いた試料リザーバであることを特徴とする請求項29記載の装置。
請求項32
患者の血漿を交換するための装置において:少なくともその一方は、少なくとも一つの流体出口部に対向する壁を備えたメンブレンレス(膜なし)流路と、前記メンブレンレス(膜なし)流路は、対向する壁に隣接して、少なくとも一つの血漿成分で細胞質内封入体が空乏化された血液部分を形成させることによって、患者の血液から少なくとも一つの血漿成分を抽出するように構成され;前記メンブレンレス(膜なし)流路からの血漿を少なくとも一つの流体出口部から血漿を流すように構成されたポンプと;及び患者へ注入するための新鮮な血漿又は他の代用物を、メンブレンレス(膜なし)流路からの血漿成分の抽出速度に対応する速度で測定するように構成された血漿バランス調整装置;とからなる装置。
請求項33
前記メンブレンレス(膜なし)流路は、ある長さで分離されまた流路を通る流れの方向を画定する入力端部及び出力端部を有し、流路の幅対流路の深さの比は10を超える値であり、流路の深さは、1500μm以下であり、但し、流路の幅及び流路の深さは、流れの方向に対して垂直に測定したものであり、前記対向する壁は、前記深さによって分離されており、前記少なくとも一つの流体出口部は、各対向する壁に血漿のための出口部を有し、各出口部は、壁状フィルタを有して、及び各壁状フィルタは、対向する壁のそれぞれの一方と連続する表面を有し、細胞が表面を通る流体の流れによってそこから掃引される、ことを特徴とする請求項32記載の装置。
請求項34
前記壁状フィルタは、1000nm未満の孔のサイズを有することを特徴とする請求項33記載の装置。
請求項35
前記壁状フィルタは、800nm未満の孔のサイズを有することを特徴とする請求項33記載の装置。
請求項36
前記壁状フィルタは、300nm未満の孔のサイズを有することを特徴とする請求項33記載の装置。
請求項37
前記流路は、約700μmの深さを有することを特徴とする請求項33記載の装置。
請求項38
患者に限外ろ過法を行うための装置において:入ってくる血流を、ほぼ細胞質内封入体のない血漿の流れと残る血液部分に分離するように構成された第一段階と;前記第一段階からほぼ細胞質内封入体のない血漿の流れを受け取る第二段階であって、該血漿の流れから過剰な流体、毒素、及び他の物質を選択的に除去して、処理された血漿を血液標準液を消費することなく第一段階の入口へ戻すように構成された第二段階と;前記第一段階は、残りの血液部分を患者へ戻すように構成されており、前記第一段階は、少なくとも一つのマイクロ流体流路中に流れの層を形成することによって血液から血漿を分離するメンブレンレス(膜なし)分離装置を使用して、前記層は、細胞が増大した層と少なくとも一つの細胞質内封入体が空乏化された層を含み、それによって少なくとも一つの層を捕捉し抽出することができること;及び、前記第一及び第二の段階を収容するハウジング;とからなる装置。
請求項39
前記少なくとも一つのマイクロ流体流路は、多数のマイクロ流体流路を含み、その各々は、断面の縦横比が10を超える直線流路であることを特徴とする請求項38記載の装置。
請求項40
更に、前記ハウジングに収容された制御モジュールであって、少なくとも一つのマイクロ流体流路から、少なくとも一つの層を形成する速度に対応する速度で血漿を搬送するように構成された制御モジュールからなる請求項38記載の装置。
請求項41
更に、前記ハウジング内に収容された動力源であって、コントローラ及び血液及び血漿の少なくとも一方を汲み出すポンプに接続された動力源からなる請求項38記載の装置。
請求項42
更に、前記ハウジング内に収容された少なくとも一つのバルブであって、血液及び血漿の少なくとも一方の流れを調節するように構成された少なくとも一つのバルブからなる請求項38記載の装置。
請求項43
前記ハウジングは、患者に直接隣接して着用されるように構成され、また前記ハウジングは、患者から血液を受け取る入口及び患者へ血液を戻す出口、及び限外ろ過液を除去するための廃棄物出口を備えたことを特徴とする請求項38記載の装置。
請求項44
前記少なくとも一つのマイクロ流体流路は、各々が、孔が規則的に配列された壁状フィルタを有して、該孔を通って血漿が流れ、該孔は、細胞質内封入体の流れを防止するが阻止されている細胞がそこを通る血流によって前記壁状フィルタから掃引されることを可能にするサイズとされることを特徴とする請求項38記載の装置。
請求項45
前記孔は、10と800nmの間のサイズを有し、各壁状フィルタは、少なくとも一つのマイクロ流体流路のそれぞれの濡れた壁と連続する平面を形成する表面を有することを特徴とする請求項44記載の装置。
請求項46
更に、前記ハウジングに収容された制御モジュールからなり、該制御モジュールは、血液モニター装置と通信してユーザから一組の指示を受信するように構成された外部入力/出力インターフェースを含み、制御モジュールは、患者の血液又は血漿の一つの性質を検出して、その指標を前記外部入力/出力インターフェース上に出力するように血液モニター装置と通信するように構成された少なくとも一つのセンサから信号を受信するように構成されている請求項38記載の装置。
請求項47
前記制御モジュールは、前記少なくとも一つのセンサからの情報を記憶するためメモリ装置を含むことを特徴とする請求項46記載の装置。
請求項48
前記少なくとも一つのセンサは、ヘマトクリット値(血液容積比)センサ、電解質センサ、グルコース・センサ、及びカリウム・センサのいずれか一つを含むことを特徴とする請求項46記載の装置。
請求項49
患者から余分な流体を除去するための方法において:患者から血液を除去すること;前記血液から、ほぼ細胞質内封入体のない血漿部分を分離すること;及び、透析液又は他の液体媒質の不存在下で、メンブレン横断圧力差を用いて、複数の中空繊維メンブレンを通して体外容器内に血漿部分を流すことにより血漿部分を限外ろ過して、但し、前記分離することは、血流の少なくとも一つのそれぞれの層中への細胞の拡散系移動を起こさせ、それによって細胞質内封入体が空乏化された層を形成して、細胞質内封入体のない血漿部分を生成するように構成されたメンブレンレス(膜なし)分離装置を通して血液を流すことを含む;からなる方法。
請求項50
更に、前記限外ろ過された血漿部分の少なくとも一部が血液と共に患者へ戻されるように、前記限外ろ過された血漿部分を、メンブレンレス(膜なし)分離装置へ再循環させることからなる請求項49記載の方法。
請求項51
前記メンブレンレス(膜なし)分離装置は、各々が抽出流体の流れと共にそこを流れる血液をシースするように構成された複数のマイクロ流体流路を含むことを特徴とする請求項49記載の装置。
請求項52
更に、血液を患者へ戻すことからなる請求項49記載の方法。
請求項53
血液から血小板を除去するための方法において:直接接触するマイクロ流路を通して血液及びシース流体を流すこと;前記マイクロ流路の異なる部分にある出口の流れを選択して、細胞及び血小板を収容する第一の部分、該第一の部分より濃度の高い血小板を収容する第二の部分である血液のそれぞれの部分を選択すること;からなり、前記第二の部分は、第一の部分より高いずれの領域にあるマイクロ流路から抽出される方法。
請求項54
血液から血小板を除去するためのシステムにおいて:直接接触するマイクロ流路を通して血液及びシース流体を流すための手段と;前記マイクロ流路の異なる部分にある出口の流れを選択して、細胞及び血小板を収容する第一の部分、該第一の部分より濃度の高い血小板を収容する第二の部分である血液のそれぞれの部分を選択するための手段と;からなり、前記第二の部分は、第一の部分より高いずれの領域にあるマイクロ流路から抽出されるシステム。
請求項55
患者の慢性腎疾患を処置するためのシステムにおいて:メンブレンレス(膜なし)マイクロ流体流路にプライミング(呼び水流体処理)を行ってメンブレンを濡らすための手段と;少なくとも4時間の間、限外ろ過処理を行うための手段であって:血液から細胞質内封入体を空乏化した部分が生成されるようなサイズを有するメンブレンレス(膜なし)マイクロ流体流路中にかかる流量で血液を通すための手段と、細胞質内封入体を空乏化させた部分の一部をメンブレンレス(膜なし)マイクロ流体流路から除去するための手段と、メンブレンを用いて、細胞質内封入体を空乏化した部分の除去された一部から少なくとも水を抽出するための手段と、及び、細胞質内封入体を空乏化した部分の除去された一部から若干の水を差し引いたものをメンブレンレス(膜なし)マイクロ流体流路へ戻すための手段と、を含み前記限外ろ過処理の限外ろ過速度では、0.4l/時未満の限外ろ過液の生成速度が生じて;限外ろ過処理を少なくとも毎日繰り返すための手段、但し、該限外ろ過処理は、体外由来流体の連続消費を必要としないこと;及び毎日未満の頻度で、血液と吸着剤又はメンブレンを通した体外由来流体のかなりの量の供給物の間で血液成分が交換される腎代行療法を行うための手段、とからなるシステム。
請求項56
前記細胞質内封入体を空乏化させた部分の一部を除去するための手段は、細胞質内封入体を空乏化させた部分をそのサイズが1000nm未満の孔の配列を有する壁状フィルタであって、前記メンブレンレス(膜なし)マイクロ流体流路の壁の一部を形成する壁状フィルタを通すことによって、メンブレンレス(膜なし)マイクロ流体流路からの細胞質内封入体の排出を阻止するための手段を含むことを特徴とする請求項55記載のシステム。
請求項57
前記細胞質内封入体を空乏化させた部分の一部を除去するための手段は、前記細胞質内封入体を空乏化させた部分をそのサイズが600及び1000nmの範囲の孔の配列を有する壁状フィルタであって、前記メンブレンレス(膜なし)マイクロ流体流路の壁の一部を形成しまたメンブレンレス(膜なし)マイクロ流体流路の壁と連続する障害のない滑らかな表面を形成する壁状フィルタを通すことによって、メンブレンレス(膜なし)マイクロ流体流路からの細胞質内封入体の排出を阻止するための手段を含むことを特徴とする請求項55記載のシステム。
請求項58
前記腎代行療法は、血液ろ過法、血液透析法、及び血液透析ろ過法の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項55記載のシステム。
請求項59
前記腎代行療法は、吸着系透析を含むことを特徴とする請求項55記載のシステム。
請求項60
前記限外ろ過処理は、少なくとも尿素をそこから除去するように構成された吸着剤を横切って細胞質内封入体が空乏化された部分を通すことを含むことを特徴とする請求項55記載のシステム。
請求項61
患者の慢性腎疾患を処置するためのシステムにおいて:メンブレンレス(膜なし)マイクロ流体流路にプライミング(呼び水流体処理)を行ってメンブレンを濡らすこと;限外ろ過処理であって:血液から細胞質内封入体を空乏化した部分が生成されるような血液流量でメンブレンレス(膜なし)マイクロ流体流路中に血液と通すための手段、但し、該通すことによって血液の流れに、より高いずれ層と少なくとも一つのより低いずれ層を含む分離層が生じ、細胞質内封入体を空乏化した部分は、該少なくとも一つのより高いずれ層と一致する構成とされること、及び、前記通すことによって生じた細胞質内封入体を空乏化させた部分から少なくとも水を抽出するための手段と、限外ろ過処理を、毎日少なくとも4時間行うこと;を含み限外ろ過処理を少なくとも毎日繰り返すための手段と、但し、前記限外ろ過処理は、体外由来流体の連続消費を必要としないこと;及び、毎日未満の頻度で、血液毒素が吸着剤によって又は一回の処理中に毒素をかなりの量の薬物と交換することによって除去される腎代行療法を繰り返し行うための手段と; からなるシステム。
請求項62
血液から細胞質内封入体を空乏化させた部分を分析するためのシステムにおいて:患者に接続できるメンブレンレス(膜なし)流路と;患者から血液を該メンブレンレス(膜なし)流路中へ血流速度で流すように構成された流路と、メンブレンレス(膜なし)流路は、細胞質内封入体を血液の第一の層内で濃縮させて、細胞質内封入体が空乏化された部分からなる第二の層を形成するように構成されていること;前記メンブレンレス(膜なし)流路は、該第二の層の少なくとも一部を抽出して、細胞質内封入体が空乏化された部分の血液をメンブレンレス(膜なし)流路の出力に供給するように構成されていること;及び、モニター期間中に、細胞質内封入体が空乏化された部分を流体分析装置へ連続して搬送して、該装置で細胞質内封入体が空乏化された部分の性質を測定して、細胞質内封入体が空乏化された部分の性質の連続指標を生成するように構成されたモニター装置と、前記モニター装置は、血液流量を制御して、メンブレンレス(膜なし)流路内での血液の凝固を防止する;ことからなるシステム。
請求項63
前記モニター装置は、針の口の付いた試料リザーバを含むことを特徴とする請求項62記載のシステム。
請求項64
試料流体の一部分を除去するための装置において:移流混合のない層流(を生成する)ように構成された第一のメンブレンレス(膜なし)セパレータであって、第一の大きさ及び第二の大きさを有する粒子が第一の抽出流体出口を通って前記第一のメンブレンレス(膜なし)セパレータから排出されるのを可能にする大きさのフィルタ付きの流路を有する第一のメンブレンレス(膜なし)セパレータ、但し、前記第一の大きさは、前記第二の大きさより大きいこと;及び、第二のメンブレンレス(膜なし)セパレータであって、前記第一の抽出流体出口に接続され、前記第二の大きさを有する粒子が第二の抽出流体出口で前記第二のメンブレンレス(膜なし)セパレータから排出されるのを可能にし、流路内の第一の大きさの粒子を保持して部分出口へ出力する大きさのフィルタ付き流路を有する第二のメンブレンレス(膜なし)セパレータ;とからなる装置。
請求項65
前記第一のメンブレンレス(膜なし)セパレータは、第二の抽出流体出口からの流れを受け取るように接続された抽出流体入口を有することを特徴とする請求項64記載の装置。
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